2025年夏ごろまで新NISA積立ランキングで3位だったFANG+ですが、2026年からはどんどん順位を落としています。
このFANG+離れが起きている原因は直近のリターンで他のハイテク集中ファンドへ負けてしまったことであり、リターンで負けたのは銘柄選定ルールが大きく影響していると考えられます。
そこで今回の記事ではFANG+を含む6つのハイテク集中ファンドを銘柄選定ルールで比較し、どんな特徴があるのか、今後はどんな銘柄が入るのか徹底比較をしていきます。

他の記事では超巨大非上場企業たちへ上場前に先行投資できる方法も紹介しています!そちらもぜひ投資判断の参考にしてください。
各ファンドの基本情報を比較
まずは6つのファンドの基本情報をそれぞれ比較していきましょう。(情報は2025年12月時点)
どのファンドも新NISAの成長投資枠で購入できますが、信託報酬や銘柄数、配分方式が異なります。
メガ10(ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド)
- 設定日:2025年11月4日(最も新しい)
- 運用会社:ニッセイアセットマネジメント
- 信託報酬:0.385%(今回紹介する中で2番目に安い)
- ベンチマーク:Solactive US Growth Megatech Select Index
- 銘柄数:10銘柄
- 配分方式:均等加重(約10%ずつ)
- 入れ替え頻度:年4回(3月・6月・9月・12月)
- 選定基準:利益成長率と売上高成長率の平均が高い米国グロース株から時価総額上位10社
メガ10の特徴的な点は、AppleではなくビザやMastercardが入っていることです。
これは成長性(利益成長率・売上高成長率)を重視した選定基準によるもので、頻繁な入れ替えを避けるため既存銘柄が13位以内なら継続採用される仕組みになっています。

メガ10の詳しい内容については下の記事でも解説しています。
S&P10(S&P500トップ10インデックス)
- 設定日:2024年5月16日
- 運用会社:大和アセットマネジメント
- 信託報酬:0.10725%(今回紹介する中で最安)
- ベンチマーク:S&P500 Top 10 Index
- 銘柄数:10銘柄
- 配分方式:時価総額加重平均
- 入れ替え頻度:年1回(6月)の銘柄見直し、年4回の構成比率調整
- 選定基準:S&P500構成銘柄のうち時価総額上位10社
S&P10は時価総額加重平均なので、NVIDIAが約19%、Microsoft・Appleが各16%程度と、上位3銘柄だけで約50%を占めます。
超大型株の比率が非常に高いため、これらの企業がどれだけ成長するかが指数全体の成長に大きく影響します。

2025年6月の入れ替えではイーライリリーが抜けてテスラが入りました。
FANG+(iFreeNEXT FANG+インデックス)
- 設定日:2018年1月31日
- 運用会社:大和アセットマネジメント
- 信託報酬:0.7755%(今回紹介する中で最高)
- ベンチマーク:NYSE FANG+指数
- 銘柄数:10銘柄(固定6+入れ替え4)
- 配分方式:均等加重(約10%ずつ)
- 入れ替え頻度:年4回(3月・6月・9月・12月)
- 原則固定銘柄:Meta、Apple、Amazon、Netflix、Microsoft、Alphabet(6銘柄)
- 現在の変動銘柄:NVIDIA、Broadcom、CrowdStrike、パランティア
FANG+は原則固定の6銘柄があることが最大の特徴です。
残り4銘柄は時価総額(35%)、流動性(35%)、株価売上高比率(15%)、売上高成長率(15%)の加重平均でランキングされ、その時々で人気のある銘柄が採用されやすくなっています。
一歩テック20(一歩先行くUSテック・トップ20インデックス)
- 設定日:2024年3月13日
- 運用会社:大和アセットマネジメント
- 信託報酬:0.495%
- ベンチマーク:FactSet US Tech Top 20 Index
- 銘柄数:20銘柄
- 配分方式:時価総額加重平均(1銘柄8%上限、テーマごと25%上限)
- 入れ替え頻度:年2回(6月・12月の第2金曜日)
- 投資テーマ:自動化・ロボティクス、クラウド、コンテンツ・プラットフォーム、Eコマース、半導体の5つ
一歩テック20は5つのテーマで時価総額上位3位以内の銘柄を選定するため、パランティアやインテュイットなど他のファンドには入りにくい銘柄も採用されています。
上限ウェイトが設けられているため、時価総額加重平均でありながら小型株の恩恵も受けやすい構成です。
実際に一歩テック20へ360万円投資した場合のシミュレーションは一歩テック20の投資シミュレーション記事で詳しくまとめています。
Zテック20(iFreeplus 世界トレンド・テクノロジー株)
- 設定日:2024年12月
- 運用会社:大和アセットマネジメント
- 信託報酬:0.495%
- ベンチマーク:ルールベースの運用
- 銘柄数:20銘柄
- 配分方式:時価総額加重平均
- 入れ替え頻度:年2回(3月末・9月末)
- 対象地域:日本・中国・ロシアを除く全世界
Zテック20は他のファンドと異なり、米国以外のテクノロジー企業も対象です。
台湾のTSMC、オランダのASML、韓国のサムスン電子なども含まれており、グローバルにテクノロジー企業へ投資したい方に向いています。
ただし、時価総額加重平均のため、NVIDIAだけで約16.7%を占めています。
Zテック20とFANG+だけで迷っている場合は、Zテック20とFANG+の比較記事も参考になります。
iFreeNEXT 全世界半導体株インデックス(全世界半導体株)
- 設定日:2025年7月29日
- 運用会社:大和アセットマネジメント
- 信託報酬:0.473%
- ベンチマーク:NYSE FactSet 全世界半導体株インデックス
- 銘柄数:約30〜50銘柄(変動あり)
- 配分方式:浮動株調整後時価総額加重平均(1銘柄35%上限)
- 対象地域:全世界(日本含む)
- 対象セクター:半導体関連企業に特化
全世界半導体株インデックスは日本初の全世界半導体株ファンドで、半導体産業の成長の恩恵を受ける世界中の企業に投資します。
NVIDIA、TSMC、ASML、Broadcom、AMD、東京エレクトロン、Intel、Qualcommなど、半導体のサプライチェーン全体をカバーしています。

他の5ファンドが「ビッグテック全般」なのに対し、全世界半導体株は「半導体セクター特化」という点が大きく異なります。
6ファンドの基本情報比較表
| 項目 | メガ10 | S&P10 | FANG+ | 一歩テック20 | Zテック20 | 全世界半導体 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 銘柄数 | 10社 | 10社 | 10社 | 20社 | 20社 | 30〜50社 |
| 配分方式 | 均等加重 | 時価総額加重 | 均等加重 | 時価総額加重 (上限あり) | 時価総額加重 | 時価総額加重 (35%上限) |
| 対象地域 | 米国のみ | 米国のみ | 米国のみ | 米国のみ | 全世界 (日中露除く) | 全世界 |
| 信託報酬 | 0.385% | 0.1073% | 0.7755% | 0.495% | 0.495% | 0.473% |
| 入れ替え | 年4回 | 年1回 | 年4回 | 年2回 | 年2回 | 年2回 |
銘柄選定ルールの違いと注意点
ここからは各ファンドの銘柄選定ルールを詳細に比較することで、将来的にどのような違いが生まれるのか詳しく考察していきます。
一見すると似たようなファンドに見えますが、同じハイテク系でも中身のルールはかなり違います。
どの銘柄を選べるのか、どの銘柄を外しやすいのかが違うので、長期的には全く違う性質のファンドになる可能性があります。
メガ10のルールと懸念点
メガ10の銘柄選定ルールは、ドイツのSolactive社が提供する指数に基づいており、詳細な選定基準が公開されています。
- 米国上場企業から「EPS成長率」と「売上高成長率」の平均スコア上位銘柄を抽出
→それぞれの成長率は過去3年の実績と将来3年のアナリスト予想で計算 - その中から時価総額上位10社を選定
- 頻繁な入れ替え回避のため、既存銘柄は13位以内なら継続採用(バッファルール)
- 均等加重(約10%ずつ)で投資
| 銘柄 | 業種 |
|---|---|
| エヌビディア | 情報技術 |
| マイクロソフト | 情報技術 |
| アマゾン・ドット・コム | 一般消費財サービス |
| アルファベット | コミュニケーション・サービス |
| ブロードコム | 情報技術 |
| メタ・プラットフォームズ | コミュニケーション・サービス |
| テスラ | 一般消費財サービス |
| イーライリリー | ヘルスケア |
| ビザ | 金融 |
| マスターカード | 金融 |
現在の構成銘柄を見ると、時価総額ランキング3位のAppleが抜けて、代わりにVISAやMastercardが入っています。
直近5年間の株価を比較すると、Appleは+127%上昇しているのに対し、Mastercardは+76%、ビザは+71%です。
株価パフォーマンスではAppleの方が優れているのに、メガ10の選定基準ではAppleが外れてしまっています。

メガ10は選定基準が公開されており透明性が高い点が魅力です。
ただし「成長性重視」の基準のため、Appleのような成熟した超大型株が外れる可能性がある点は理解しておきましょう。
S&P10のルールと懸念点
S&P10はS&P500のトップ10銘柄に時価総額加重平均で投資するシンプルな構成です。
ただし、S&P500そのものには厳格な採用条件があります。
- 時価総額が最低82億ドル以上
- 浮動株時価総額が41億ドル以上
- 4四半期連続で黒字であること
- 米国企業であること(米国に本社があること)
- 流動性が高いこと
- セクターバランスを考慮
| 銘柄 | 業種 | 構成比(%) |
|---|---|---|
| エヌビディア | 半導体‧半導体製造装置 | 20.40 |
| アップル | テクノロジー‧ハードウェアおよび機器 | 15.90 |
| マイクロソフト | ソフトウェア‧サービス | 12.70 |
| アマゾン ドットコム | ⼀般消費財‧サービス流通‧⼩売り | 10.30 |
| アルファベット A | メディア‧娯楽 | 8.20 |
| ブロードコム | 半導体‧半導体製造装置 | 7.70 |
| アルファベット C | メディア‧娯楽 | 6.50 |
| METAPLATFORMSINC- | メディア‧娯楽 | 5.90 |
| TESLAMOTORSINC | ⾃動⾞‧⾃動⾞部品 | 4.20 |
| BERKSHIREHATHAWAY | ⾦融サービス | 3.50 |
S&P10で最も重要なのは「4四半期連続で黒字であること」という条件です。
たとえ時価総額がS&P500トップ10に匹敵するような超大型企業でも、赤字企業であれば4四半期連続で黒字を達成するまでS&P500に採用されることはありません。
今までは時価総額トップ10に入るような超大型の赤字企業は存在しなかったので、誰も気にしていませんでした。
しかし、後述する2026年のIPOラッシュでは、時価総額1兆ドル超えの赤字企業が上場する可能性があります。

裏を返せば、S&P10は赤字企業が入りにくいため、他の指数よりも安定した成長を期待できるとも言えます。
FANG+のルールと懸念点
FANG+の銘柄選定ルールは、原則固定の6銘柄と入れ替え対象の4銘柄に分かれています。
【原則固定銘柄】
Meta、Amazon、Apple、Microsoft、Netflix、Alphabet(Google)、
【対象条件】
・米国上場企業であること
・時価総額が50億ドル以上
・セクターが一般消費財・サービス、テクノロジー、メディア・コミュニケーションの3セクターに限定
・上場後60日経過していること
【入替4銘柄のランキング指標(加重平均)】
下記で加重平均した値でランキング付けし、上位銘柄を採用
・時価総額:35%
・1日の平均売買代金:35%
・直近12ヶ月間の株価売上高比率(P/S):15%
・直近12ヶ月間の売上高成長率:15%
※既存銘柄がランキングで10位以内の場合は入替対象にならない
| 銘柄 | 業種 | 構成比(%) |
|---|---|---|
| ブロードコム | 情報技術 | 11.10 |
| アマゾン ドットコム | 一般消費財・サービス | 10.80 |
| エヌビディア | 情報技術 | 10.00 |
| アルファベット A | コミュニケーション・サービス | 9.80 |
| マイクロン テクノロジー | 情報技術 | 9.70 |
| マイクロソフト | 情報技術 | 9.40 |
| メタ プラットフォームズ | コミュニケーション・サービス | 9.40 |
| アップル | 情報技術 | 9.30 |
| ネットフリックス | コミュニケーション・サービス | 8.40 |
| PALANTIRTECHNOLOGIESINCCLASSA | 情報技術 | 7.80 |
入れ替え候補のランキングを見ると、時価総額が小さい企業でも他の指標で勝っていれば上位にランクインできます。
例えばパランティアは時価総額ではBroadcomに負けていますが、流動性や成長率で勝っているため総合ランキングでは上位に位置しています。
ただしFANG+の入れ替えルールでは、既存銘柄が10位圏外に落ちなければ新規銘柄は採用されません。
現在の採用銘柄が10位圏外まで落ちないと、新しい企業は採用されないため、市場で人気の銘柄をすぐに取り込めないことがあります。

また、原則固定の6銘柄があまり伸びない相場になると、FANG+は一気にパフォーマンスが落ちてしまう可能性があります。
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一歩テック20のルールと懸念点
一歩テック20は少し複雑な選定ルールを持っています。
- NASDAQ上場の時価総額上位300位かつ1日の平均売買代金が1億ドル以上の銘柄を抽出
- 中国・本港に本社がある企業を除外
- 5つのテーマ(自動化、クラウド、コンテンツ、Eコマース、半導体)で時価総額上位3位以内の銘柄を選定(15銘柄)
- 残り5銘柄は5テーマ外の企業から時価総額順で選定
- 1銘柄あたり最大8%、各テーマ最大25%の上限を設定
| 銘柄 | 構成比(%) |
|---|---|
| エヌビディア | 8.60 |
| アップル | 8.10 |
| アルファベット A | 7.90 |
| アマゾン ドットコム | 7.90 |
| テスラ | 7.60 |
| パランティア テクノロジーズ | 7.20 |
| ブロードコム | 6.70 |
| マイクロソフト | 6.70 |
| メタ プラットフォームズ | 6.50 |
| KLACORP | 4.80 |
一歩テック20の特徴は、5つのテーマで時価総額上位3位以内の銘柄を選ぶため、NASDAQ市場であれば時価総額が大きければ赤字企業も対象になることです。
また、上限ウェイトが設けられているため、時価総額加重平均でありながら小型株の影響も比較的受けやすい構成になっています。
一方で、この5つのテーマ以外で大きく伸びる銘柄が出てくると取りこぼす可能性があります。
また、原則固定銘柄がないため、毎回の入れ替えで構成が変わりやすいという特徴もあります。
Zテック20のルールと懸念点
Zテック20は比較的シンプルな選定ルールです。
- 日本・中国・ロシアを除く全世界のテクノロジー関連企業を抽出
- 対象範囲:半導体、ソフトウェア、通信機器、電子装置、メディア、自動車、大規模小売など、テクノロジー関連であれば幅広く対象
- 抽出したテクノロジー関連企業から時価総額上位20銘柄を選定
- 時価総額加重平均で投資
| 銘柄 | 業種 | 構成比(%) |
|---|---|---|
| エヌビディア | 情報技術 | 15.90 |
| アルファベット C | コミュニケーション・サービス | 13.20 |
| アップル | 情報技術 | 12.40 |
| マイクロソフト | 情報技術 | 9.90 |
| アマゾン ドットコム | 一般消費財・サービス | 8.80 |
| ブロードコム | 情報技術 | 6.00 |
| TAIWANSEMICONDUCTORMANUFACTURING | 情報技術 | 5.80 |
| メタ プラットフォームズ | コミュニケーション・サービス | 5.30 |
| テスラ | 一般消費財・サービス | 4.40 |
| SAMSUNGELECTRONICSLTD | 情報技術 | 2.80 |
Zテック20は「世界中のテクノロジー企業から時価総額上位20社」というシンプルな基準です。
ある意味でS&P10を20銘柄に拡張し、グローバル&赤字企業もOKにしたようなイメージです。
現在はアメリカ企業が多くを占めていますが、台湾(TSMC)、オランダ(ASML)、韓国(サムスン)、ドイツ(SAP)なども含まれています。
時価総額加重平均のため、NVIDIAだけで約17%、トップ3社で約50%を占めており、20社採用されていても下位銘柄の影響は限定的です。

日本・中国・ロシアが除外されているので、この3国から最先端のテクノロジー企業が出てきた場合は取りこぼすリスクはありますが、現状ではあまり心配いらないでしょう。
全世界半導体株インデックスのルールと懸念点
全世界半導体株インデックスは他の5ファンドとは性質が異なり、半導体セクターに特化したファンドです。
- 全世界の半導体関連企業(設計、製造、装置、材料など)を対象
- 浮動株調整後時価総額加重平均で算出
- 1銘柄あたり35%の上限を設定
- 銘柄数は約30〜50社(変動あり)
| 銘柄 | 業種 | 構成比(%) |
|---|---|---|
| エヌビディア | 情報技術 | 33.60 |
| ブロードコム | 情報技術 | 15.90 |
| TAIWANSEMICONDUCTORMANUFACTURING | 情報技術 | 8.90 |
| TAIWANSEMICONDUCTORMANUFACTURING | 情報技術 | 5.10 |
| マイクロン テクノロジー | 情報技術 | 4.90 |
| ASML ホールディング NYRS | 情報技術 | 4.60 |
| MICROE-MININASDAQ100JUN26 | – | 4.20 |
| SKHYNIXINC | 情報技術 | 4.10 |
| ラム リサーチ | 情報技術 | 2.60 |
| TEXASINSTRUMENTINC | 情報技術 | 2.10 |
構成銘柄にはNVIDIA、TSMC、ASML、Broadcom、AMD、東京エレクトロン、Intel、Qualcomm、Applied Materials、Lam Research、SK hynix、Micronなど、半導体サプライチェーン全体の主要企業が含まれています。
このファンドの特徴は、他の5ファンドが「ビッグテック全般」を対象としているのに対し、半導体という特定セクターに集中投資している点です。
AI需要の拡大で半導体市場が成長すれば大きなリターンが期待できますが、半導体市況が悪化した場合のダメージも大きくなります。

次のセクションでは2026年にIPOが予定されているSpaceX・OpenAI・Anthropicが上場したら、どのファンドに組み込まれやすいのか比較していきます。








