「アクティブファンドの9割はインデックスに負ける」
ただ、実は、残り1割のアクティブファンドは数十年単位でインデックスを上回り続けてきました。
もちろん、新NISAではインデックスファンドを積立していくことが正解です。
しかし、勝ってるアクティブファンドの共通点を持つインデックスへ積立をしていれば、オルカンやS&P500を圧倒できる可能性がある訳です。
そこで今回の記事では、
1. インデックスを上回り続けている勝者アクティブファンドの実例
2. 勝者アクティブに共通する選定ルール
3. その共通点を持つインデックスファンドは何か
をデータで徹底的に解説していきます。
ぜひ最後までチェックして、新NISAの戦略へ活用してください。
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アクティブファンドの大半はインデックスに負けるのは事実
まず大前提として、アクティブファンド全体の勝率はかなり低いです。
インデックスの王様と言われるS&P指数を作っているS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表する「SPIVAレポート」のMid-Year 2025版で、米国株式ファンドの結果を見てみましょう。
米国株式ファンドのインデックス敗北率
| ファンドカテゴリ | 比較指数 | 年初来 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全米国株ファンド | S&P Composite 1500 | 64.33% | 74.87% | 79.32% | 88.32% | 90.31% | 92.52% | 93.81% |
| 全米国大型株ファンド | S&P 500 | 54.31% | 72.61% | 64.87% | 86.91% | 85.98% | 88.29% | 91.03% |
| 全米国中型株ファンド | S&P MidCap 400 | 25.34% | 37.25% | 66.67% | 73.54% | 76.84% | 83.72% | 88.81% |
| 全米国小型株ファンド | S&P SmallCap 600 | 22.33% | 40.58% | 30.21% | 61.60% | 78.42% | 85.41% | 87.81% |
S&P500に代表される米国大型株ファンドで見ると、直近1年では72.61%が負け、5年・10年と期間を伸ばすほど負ける割合が増え、20年では91%が負けるという結果になっています。
全米国株ファンドに至っては20年で93.81%が負けており、これはほぼ全滅と言えるレベルです。
国際・グローバル株式ファンドのインデックス敗北率
新NISAで多くの人が積立しているオルカンは、S&P Worldに近い全世界株のインデックスです。
そこで、世界株アクティブの結果も見てみましょう。
| ファンドカテゴリ | 比較指数 | 年初来 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| グローバル株式ファンド | S&P World | 52.24% | 75.31% | 80.33% | 89.52% | 91.70% | 92.86% | ― |
| 国際株式ファンド(除く米国) | S&P World Ex-U.S. | 55.22% | 57.22% | 75.19% | 79.35% | 90.52% | 90.42% | ― |
| 国際小型株ファンド | S&P Developed Ex-U.S. SmallCap | 57.89% | 50.67% | 53.66% | 62.20% | 72.29% | 74.51% | 70.45% |
| 新興国株式ファンド | S&P/IFCI Composite | 46.73% | 63.98% | 63.59% | 78.11% | 85.89% | 87.23% | 94.03% |
グローバル株式ファンドで見ると、5年で89.52%、10年で91.70%、15年で92.86%が負けています。
つまり、オルカンに相当するS&P Worldに勝とうとするアクティブファンドも、長期で見ればほぼ全滅というのが現実です。

1年や3年の短期では勝つアクティブも一定数いますが、10年15年と長期になるとインデックスがほぼ勝ちます。
だからこそ、新NISAではオルカン・S&P500を積立するのが合理的なんですよね。
ただ、ここで話を終わらせるのはもったいないです。
この数字を裏から見れば、「長期で9割が負ける中、勝ち残った1割」も実在するということだからです。
次のセクションでは、その勝ち残った代表的なアクティブファンドを見ていきます。
インデックスを上回り続けている勝者アクティブファンド4本
米国には、何十年もの長期でインデックスを上回り続けてきたアクティブファンドが実在します。
ここでは代表的な4本を、選定ルールと上位構成銘柄まで含めて紹介していきます。
一部のファンドは日本の証券会社経由では直接買えませんが、日本で買える代替ファンド(マザーファンド方式)もあるので、それぞれの項目で併記します。
Fidelity Contrafund(FCNTX)
- 設定日:1967年5月17日
- 運用会社:フィデリティ(米国)
- 10年年率リターン:16.39%(S&P500は14.16%)
- 経費率:0.74%
- 保有銘柄数:約428銘柄
- 回転率:29%(長期保有型)
- 主な運用担当者:ウィリアム・ダノフ(1990年より)
- 日本で買える形:フィデリティ・米国株式ファンド Bコース(Contrafundと同じ運用担当者・投資哲学・運用戦略のマザーファンドに投資)
Fidelity Contrafundは1967年から続くフィデリティの代表的なアクティブファンドで、世界最大級の単独運用アクティブファンドでもあります。
1990年からずっと同じファンドマネージャーであるウィリアム・ダノフ氏が運用しており、継続性の高さは非常に大きな強みですね。
- 基本思想:「株価は最終的に企業の利益に従う」
- 数年にわたって利益を伸ばし続けられる企業を探す
- その成長力がまだ株価に織り込まれていない銘柄を選ぶ
- 「Best of Breed(その業界で最強格)」の企業を優先
- 判断材料:競争優位性、高いROIC、潤沢なフリーキャッシュフロー、経営陣の株主意識
- フィデリティのグローバル・リサーチ部隊と連携したボトムアップ分析
- 一部、未上場企業(SpaceXなど)も組み入れる
Contrafundのポイントは、「割安に見える成長企業を見つけて買う」という、グロース寄りだけどバリューの視点も入った折衷戦略です。
S&P500がベンチマークではあるものの、セクター配分は大きく違っていて、エネルギーや公共事業のような伸びにくい業界はほとんど入れない代わりに、テクノロジーや金融サービスを厚めに取っています。
Contrafundの上位10銘柄(2026年3月末時点)
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | Meta Platforms | 11.29% |
| 2 | NVIDIA | 8.93% |
| 3 | Amazon | 5.42% |
| 4 | Berkshire Hathaway | 5.28% |
| 5 | Alphabet A | 3.92% |
| 6 | Microsoft | 3.19% |
| 7 | Alphabet C | 2.43% |
| 8 | Amphenol | 2.34% |
| 9 | Apple | 2.31% |
| 10 | Eli Lilly | 1.96% |
| ― | 上位10銘柄合計 | 47.08% |

単にビッグテックに乗っているだけでなく、BerkshireやAmphenolのような銘柄も厚く持っているのがContrafundらしさですね。
指数そのままではなく、自分たちが強いと思う企業にしっかり寄せているわけです。
10年の年率リターンは16.39%で、S&P500の14.16%を上回っています。
超大型グロースが支配する米国市場で、10年単位で指数超えを維持しているのはかなり強い結果です。
New Perspective Fund(ANWPX)
- 設定日:1973年3月13日
- 運用会社:キャピタル・グループ
- 10年年率リターン:12.36%
- 経費率:0.71%
- 保有銘柄数:265銘柄以上
- 投資対象:世界のマルチナショナル企業
- 日本で買える形:キャピタル世界株式ファンド(ニューパースペクティブ戦略に実質連動)
New Perspective Fundは、世界株アクティブの代表格と言っていい存在です。
1973年の設定から50年以上、一貫して「世界の貿易構造や政治・経済の変化から恩恵を受ける企業」を探す方針を貫いています。
- 対象:世界中のマルチナショナル企業(国単位ではなく「グローバルに稼ぐ企業」に着目)
- 世界の通商パターンや政治・経済の変化から恩恵を受ける企業を特定
- 将来的に世界を代表する企業になり得る初期段階のマルチナショナル企業も対象
- ボトムアップの個別企業分析が中核
- キャピタル・システム:複数のポートフォリオ・マネジャーが個別に運用し、アイデアの集合体としてファンドを構成
- 各マネジャーは自分が運用する部分に自己資金も投じる(利害一致)
- 年間2万回超の企業面談で経営実態を確認
キャピタル・グループ独自の「キャピタル・システム」は、アクティブファンドの属人リスクを減らす仕組みとして有名です。
1人のスター運用者に頼るのではなく、投資アプローチの違う複数のポートフォリオ・マネジャーがそれぞれ自分の担当部分を運用し、それを組み合わせてファンド全体を作るという手法ですね。
New Perspectiveの上位10銘柄(2026年3月末時点)
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | TSMC | 4.1% |
| 2 | Meta | 3.7% |
| 3 | NVIDIA | 3.0% |
| 4 | Broadcom | 2.9% |
| 5 | Alphabet | 2.8% |
| 6 | Microsoft | 2.6% |
| 7 | Tesla | 2.6% |
| 8 | AstraZeneca | 2.0% |
| 9 | ASML | 1.7% |
| 10 | Eli Lilly | 1.5% |
| ― | 上位10銘柄合計 | 約26.9% |
上位10銘柄で約27%と、Contrafundより分散されています。
TSMC・ASML・AstraZenecaのような非米国銘柄も上位に食い込んでいるのが特徴で、ここがオルカンともS&P500とも大きく違うところです。

「米国企業が強いのではなく、米国上場のグローバル企業と、それと競合できる非米国企業が強い」という発想のファンドですね。
The Growth Fund of America(AGTHX)
- 設定日:1973年12月1日
- 運用会社:キャピタル・グループ
- 10年年率リターン:14.48%
- 経費率:0.59%
- 保有銘柄数:299銘柄以上
- 特徴:米国最大級の単独運用アクティブファンド
- 日本で買える形:日本の一般口座では直接購入不可
The Growth Fund of Americaは、米国株アクティブの中でも特に巨大なファンドです。
名前から「ハイテクグロース全振り」をイメージしがちですが、実際はもう少し幅が広く、循環株やターンアラウンド企業まで含めて、成長余地のある企業を機動的に拾うスタイルですね。
- 対象:成長可能性のある米国企業(グロース株に限定せず循環株やターンアラウンドも含む)
- ボトムアップ・リサーチによる個別企業選別
- キャピタル・システム(複数ポートフォリオ・マネジャー)を採用
- 特定セクターや時価総額に縛られず、機動的に銘柄を入れ替え
- 時価総額加重ではなく、確信度の高い銘柄に寄せる
Growth Fund of Americaの上位10銘柄(2026年3月末時点)
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | NVIDIA | 6.0% |
| 2 | Alphabet | 5.6% |
| 3 | Broadcom | 4.3% |
| 4 | Meta Platforms | 4.1% |
| 5 | Microsoft | 4.0% |
| 6 | Amazon.com | 3.5% |
| 7 | Eli Lilly | 3.0% |
| 8 | Tesla | 2.6% |
| 9 | TSMC | 2.5% |
| 10 | Vertex Pharmaceuticals | 2.0% |
Contrafundほど「評価不足銘柄への逆張り」に寄せている感じはなく、大型グロースの中で勝てそうな企業に広く張る大型グロース戦略という印象です。
10年年率14.48%はS&P500と互角以上で、299銘柄という広めの分散でこの結果は強いですね。
The New Economy Fund(ANEFX)
- 設定日:1983年12月1日
- 運用会社:キャピタル・グループ
- 10年年率リターン:13.55%
- 経費率:0.72%
- 保有銘柄数:166銘柄以上
- 特徴:イノベーション・新技術・世界経済の変化に乗る
- 日本で買える形:日本の一般口座では直接購入不可
The New Economy Fundは、4本の中で最もテーマ色の強いファンドです。
テーマ型というと銘柄が極端に少ないイメージですが、New Economy Fundは166銘柄以上を持ちつつ、半導体・新技術・イノベーション関連にポジションを寄せています。
- 対象:世界中のイノベーション・新技術関連企業
- 半導体・ソフトウェア・インターネット・バイオなど次世代産業
- 米国だけでなくアジアや欧州の企業も積極採用
- キャピタル・システムによる複数マネジャー運用
- ボトムアップ分析で、技術革新の波に乗る企業を選別
New Economy Fundの上位10銘柄(2026年3月末時点)
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | TSMC | 5.6% |
| 2 | Broadcom | 5.0% |
| 3 | Alphabet | 4.8% |
| 4 | Micron | 3.9% |
| 5 | SK hynix | 3.7% |
| 6 | NVIDIA | 3.4% |
| 7 | Amazon.com | 2.7% |
| 8 | Microsoft | 2.6% |
| 9 | MercadoLibre | 1.8% |
| 10 | Eli Lilly | 1.6% |
TSMC・SK hynix・MercadoLibreなど非米国銘柄が上位に多く入っているのが特徴で、S&P500よりかなりグローバルな構成です。
半導体メモリ大手のSK hynix(韓国)やアルゼンチンのMercadoLibreが上位にいる時点で、米国集中のインデックスでは得られない分散効果がありますね。
勝者アクティブ4本の基本情報まとめ
| 項目 | Contrafund | New Perspective | Growth Fund of America | New Economy Fund |
|---|---|---|---|---|
| 設定日 | 1967年 | 1973年 | 1973年 | 1983年 |
| 10年年率リターン | 16.39% | 12.36% | 14.48% | 13.55% |
| 経費率 | 0.74% | 0.71% | 0.59% | 0.72% |
| 保有銘柄数 | 約428 | 265+ | 299+ | 166+ |
| 対象地域 | 米国中心 | 世界(多国籍) | 米国中心 | 世界(テック) |
| 日本で買える形 | フィデリティ米国株式Bコース | キャピタル世界株式ファンド | 直接購入不可 | 直接購入不可 |

どれも50年前後の歴史があって、かつ10年リターンが2桁後半。
アクティブの勝率が1割とか言われる中、半世紀で生き残って来たファンドはさすがに強いですね。
ここまで見てきた4本は、それぞれ選定ルールや上位銘柄が違いますが、よく見ると共通する「勝ち方のルール」があります。
次のセクションでは、その共通点を抽出しつつ、同じ特徴を持つインデックスファンドがあるのかも一緒に見ていきます。
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勝者アクティブの共通点とその特徴を持つインデックス
ここからがこの記事の本題です。
勝者アクティブの共通点を5つに整理しつつ、各特徴ごとに同じ設計思想を持つインデックスファンドも紹介していきます。
新NISAの軸はオルカンやS&P500のままでOKですが、成長投資枠の一部で「勝者アクティブに近いインデックス」を組み合わせることで、積立全体のリターンを一段上げられる可能性があります。
前提:勝者アクティブは「大型株中心のユニバース」から選ぶ
まず大前提として、ここまで見た勝ち組アクティブ4本は、いずれも大型株を中心に選ぶファンドです。
Contrafundの上位は Meta、NVIDIA、Amazon、Microsoft など米国時価総額トップクラスばかりですし、キャピタル世界株式も TSMC、Meta、NVIDIA など世界の時価総額上位銘柄が並びます。
実は、オルカンやS&P500も構成銘柄上位10社だけで構成比の22.2%、35.5%を占めており、やはり勝ち組アクティブと同じように大型株の比重が大きいです。
| オルカン上位10社 | 構成比(%) |
|---|---|
| エヌビディア | 4.50 |
| アップル | 4.00 |
| マイクロソフト | 2.80 |
| アマゾン | 2.20 |
| アルファベットA | 1.70 |
| アルファベットC | 1.60 |
| ブロードコム | 1.50 |
| TSMC(台湾セミコンダクター) | 1.50 |
| メタ(旧Facebook) | 1.30 |
| テスラ | 1.10 |
| S&P500上位10社 | 構成比(%) |
|---|---|
| エヌビディア | 7.30 |
| アップル | 6.60 |
| マイクロソフト | 4.80 |
| アマゾン | 3.60 |
| アルファベットA | 2.90 |
| ブロードコム | 2.50 |
| アルファベットC | 2.30 |
| メタ(旧Facebook) | 2.10 |
| テスラ | 1.80 |
| バークシャー・ハサウェイ | 1.60 |
つまり、勝者アクティブとインデックス(オルカン・S&P500)は、そもそも同じ「大型株中心」という土俵に立っているわけです。
この点で、新NISAの定番であるオルカンやS&P500などは、勝者アクティブと同じ出発点を共有しています。
差が出るのはここからです。次の①〜④の特徴で「同じ大型株の中から何を選び、どう持ち続けるか」が違います。
共通点①:選定基準が「収益の質」と「成長余地」に寄っている
勝者アクティブは、時価総額が大きいから採用するのではなく、利益成長力・ROE・フリーキャッシュフロー・経営の質といった企業の中身で選びます。
例えば、S&P500の10年年率リターン14.16%を2%以上上回る年率16.39%を叩き出しているContrafundは、「株価は最終的に企業の利益に従う」という思想のもと、ROICやフリーキャッシュフローといった収益の質で銘柄を選んでいます。
この「質と成長性で選ぶ」思想は、インデックスにも一部取り入れられています。
- メガ10(ニッセイ・S米国グロース株式メガ10):過去3年実績+将来3年予想の「EPS成長率」と「売上高成長率」の平均スコアから時価総額上位10社を選定
- JPX日経400(連動インデックスファンド複数あり):ROE40%、累積営業利益40%、時価総額20%のスコアで400銘柄を選定。ガバナンスやディスクロージャーも定性評価に加味
- S&P500:採用条件に「4四半期連続黒字」が含まれるため、赤字企業は構造的に入れない
特にメガ10とJPX日経400は、「時価総額が大きいだけでは採用しない」という点で、勝者アクティブの発想にかなり近いです。
S&P500の「4四半期連続黒字」も、単なる時価総額ランキングではなく収益性フィルタを入れている時点で、実はアクティブ寄りの設計思想を持っています。

S&P500が強い理由の1つは、まさにこの「黒字要件」です。
NASDAQ100は赤字企業も入れられるのに対し、S&P500は構造的にザコ企業が入りにくい仕組みになっているんですよね。
共通点②:勝ち銘柄は持ち続ける(低い回転率)
勝者アクティブは、買った勝ち銘柄を簡単には手放しません。
年率16.39%のContrafundでは回転率が29%で、これは平均3〜4年保有を意味します。
また、世界株アクティブの代表格であるNew Perspective Fund(10年年率12.36%)に至っては、50年以上同じ哲学で世界のマルチナショナル企業に投資し続けています。
意外に思うかもしれませんが、この「勝ち銘柄を持ち続ける」という特徴は、時価総額加重の定番インデックスが自動的に実現してくれます。
- オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式):時価総額加重なので、上昇した銘柄は自動的に比率が上がる。勝ち銘柄を売らずに持ち続ける構造
- S&P500(eMAXIS Slim 米国株式など):同様に時価総額加重。NVIDIAのような勝ち組がそのまま指数を引っ張り上げる
- NASDAQ100:同様に時価総額加重。ビッグテックの上昇をそのまま反映
つまり、新NISAで王道のオルカン・S&P500は、この共通点②をしっかり満たしています。
逆に、この特徴を満たさないインデックスとして有名なのがFANG+(均等加重)やメガ10(均等加重)です。
均等加重はリバランスで勝ち銘柄を売却してしまうため、勝者アクティブの「持ち続ける」哲学とは真逆の動きになります。
共通点③:セクターや地域の「偏り」を恐れない
勝者アクティブは、バランスよく分散するよりも、勝ち筋のあるセクターや地域に明確に偏ります。
年率16.39%のContrafundはエネルギーや公益セクターをほぼ外してテクノロジーと金融サービスに寄せますし、10年年率13.55%のNew Economy Fundは半導体・新技術に思い切り寄せています。
年率12.36%のキャピタル世界株式も、オルカンのような時価総額加重の全世界ではなく、TSMC・ASMLなど「勝てる非米国銘柄」を厚く取ります。
この「偏りを恐れない」設計は、インデックスの世界にもしっかり存在します。
- NASDAQ100:金融セクターを構造的に除外。結果的にハイテク・消費財・ヘルスケア寄りの偏った指数になる
- SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数):米国上場の半導体関連30社に特化。New Economy Fundの「新技術に寄せる」発想に最も近い
- FANG+(iFreeNEXT FANG+インデックス):対象セクターを一般消費財・テクノロジー・メディアの3つに限定。全セクターに広げない設計
特にNASDAQ100の金融セクター除外は、「全てのセクターにバランスよく広げる」というS&P500とは真逆の発想です。
SOX指数は日本でも「ニッセイSOX指数インデックスファンド」や「楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド」など連動商品が揃っており、新NISA成長投資枠で購入できます。

オルカンやS&P500は「偏らない分散」が武器ですが、勝者アクティブの発想に寄せるなら「勝ち筋セクターへの偏り」もアリな選択肢です。
共通点④:銘柄数を確信度に応じて絞る
勝者アクティブの銘柄数は、オルカンのような約3000銘柄の過剰分散はしません。
年率13.55%のNew Economy Fundは166銘柄、年率16.39%のContrafundでも428銘柄です。
「確信度のある銘柄だけに絞る」という発想が共通しています。
銘柄数を絞るインデックスは、実は日本でも多数用意されています。
- FANG+(iFreeNEXT FANG+インデックス):10銘柄の超集中型。勝者アクティブの少数精鋭思想に近い
- S&P10(iFreeNEXT S&P500トップ10インデックス):S&P500の時価総額上位10社に絞る。時価総額加重
- SOX指数(ニッセイSOX指数インデックスファンドなど):米国上場の半導体30社に絞る。1位12%、2位10%、3位8%、他4%の上限付き時価総額加重
特にSOX指数は、「セクターを絞る(共通点③)」と「銘柄数を絞る(共通点④)」の両方を満たす設計になっており、勝者アクティブの思想にかなり近い立ち位置にあります。
さらにSOX指数は上限ウェイトルールで1銘柄への過度な集中も防いでいるため、10銘柄型の指数と比べて「集中投資による暴落リスク」も抑えられています。
勝者アクティブの共通点まとめ表
| 共通点 | 該当インデックスの例 |
|---|---|
| 前提:大型株中心のユニバース | オルカン、S&P500、ほぼ全てのインデックス |
| ①収益の質・成長余地 | メガ10、JPX日経400、S&P500(黒字要件) |
| ②勝ち銘柄を持ち続ける | オルカン、S&P500、NASDAQ100 |
| ③セクター・地域の偏り | NASDAQ100、SOX指数、FANG+ |
| ④銘柄数を絞る | FANG+、S&P10、SOX指数 |
この表を見ると面白いことに気づきます。
オルカン・S&P500は「前提」と「②勝ち銘柄を持ち続ける」を満たしている一方で、①③④は満たしていません。
逆に、FANG+やメガ10は①③④を満たすものの、②で均等加重の弱点があります。
重要なのは、勝者アクティブに乗り換えることではなく、勝者アクティブの設計思想をインデックス選びに活かすことです。
「インデックス派 vs アクティブ派」の二元論ではなく、勝者アクティブの知恵をインデックス投資に活かすという第3の道が今回の記事の結論です。


