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【2026年最新】新NISA運用中にもし死亡したらどうなる?相続や課税を解説

税金・社会保険

もしあなたが明日事故にあって亡くなった場合、新NISAに資産があると大損する可能性があります。
そこで、今回は新NISAやiDeCoで資産を保有したまま亡くなったら一体どれくらい損をするのか、そして損をしないために今からできる事前対策を6つ解説していきます。
これを知っておけば残された家族の資産を最大化することができるので、ぜひ意識があるうちにチェックしておいてください。

ちゃすく
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新NISA運用中に死んだら一体どうなる?相続や課税、事前対策6選をまとめて解説
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  1. まずはiDeCo:死んだら強制的に全額現金化されます
    1. iDeCoは「死亡一時金」として遺族に支払われる
    2. iDeCoの死亡一時金には「非課税枠」がある
    3. iDeCoの請求期限に要注意
  2. 新NISAの非課税、あなたが死んだら終わります
    1. NISA口座は相続できない
  3. 含み益があっても税金ゼロ?具体例で解説
    1. 具体例1:含み益が1500万円あるケース
    2. もし特定口座で持っていたら?NISAとの比較
  4. 含み損がある場合はガチで損する
    1. 具体例2:含み損が1000万円あるケース
    2. NISA口座の含み損は損益通算できない
    3. 相続後に値上がりしたら二重苦
  5. NISA資産に相続税はかかるのか?具体計算で確認
    1. 相続税の基礎控除をおさらい
    2. ケース1:NISA資産が大きく成長した家庭
    3. ケース2:NISA資産がまだ小さい家庭
    4. 上場株式・ETFの評価額は4つから最も低い金額を選べる
    5. 新NISAの1800万円が将来の相続税リスクになる
  6. NISA口座の相続手続き:慌てないための流れ
    1. ステップ1:証券会社に死亡届出書を提出する
    2. ステップ2:相続人が同じ証券会社に口座を開設する
    3. ステップ3:必要書類を準備して提出する
    4. ステップ4:資産の移管完了
  7. iDeCoと新NISAの相続ルールを比較
  8. 生前にやっておくべき6つの対策
    1. 対策1:家族に証券口座の存在を共有する
    2. 対策2:家族と同じ証券会社に口座を作っておく
    3. 対策3:投資の考え方を家族に共有する
    4. 対策4:相続税対策を早めに検討する
    5. 対策5:ハイリスク銘柄はNISAに入れるか慎重に検討する
    6. 対策6:相続したら自分のNISA枠で買い直す

まずはiDeCo:死んだら強制的に全額現金化されます

新NISAの相続について解説する前に、まずiDeCoの死亡時のルールを押さえておきましょう。
実はiDeCoとNISAでは死亡時の扱いが全く異なるため、両方やっている方は両方のルールを知っておく必要があります。

iDeCoは「死亡一時金」として遺族に支払われる

iDeCoの加入者が亡くなった場合、口座内の資産はすべて売却されて現金化され、遺族に「死亡一時金」として一括で支払われます。
NISAのように投資信託のまま相続人に引き継がれるわけではありません。

つまり、iDeCoでは売却のタイミングを相続人が選ぶことはできません。
「暴落中だからもう少し待ってから売りたい」と思っても、強制的に売却されてしまいます。

ちゃすく
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iDeCoは60歳まで引き出せないのと同じで、死亡時もコントロールが効かない。
年金受給中に亡くなった場合も、残りは全額一時金として遺族に支払われます。

iDeCoの死亡一時金には「非課税枠」がある

ここがiDeCoとNISAで最も大きく違うポイントです。
iDeCoの死亡一時金は税制上「みなし相続財産」として扱われ、生命保険金の死亡保険金と同じ仕組みの非課税枠が使えます。

iDeCo死亡一時金の非課税枠

非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数
(例)配偶者+子2人の場合 → 500万円×3人 = 1500万円まで非課税
※生命保険の死亡保険金の非課税枠(同じく500万円×法定相続人数)とは別枠で計算されます
※この非課税枠が使えるのは死亡日から3年以内に支給が確定した場合のみ

一方、NISAの相続ではこの非課税枠の仕組みが全く異なります。
詳しくは後ほど解説しますが、iDeCoとNISAでは相続税の扱いに大きな差があるので、両方やっている方は要注意です。

iDeCoの請求期限に要注意

iDeCoの死亡一時金は、請求するタイミングによって税金の扱いが変わります。

請求タイミング税金の扱い非課税枠
死亡日から3年以内みなし相続財産(相続税)500万円×法定相続人数
3年超〜5年以内受取人の一時所得(所得税)非課税枠なし
5年超通常の相続財産に変わる(遺産分割対象)非課税枠なし
※5年を超えると法務局に供託され、受け取りが困難になる

3年以内に請求すればみなし相続財産として非課税枠が使えますが、3年を超えると一時所得として所得税がかかり、5年を超えると法務局に供託されてしまいます。
iDeCoに加入していることを家族が知らなければ、そもそも請求すらされず資産が宙に浮いてしまうリスクがあります。

ちゃすく
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iDeCoは受取人の優先順位も民法の法定相続人とは異なります。
配偶者が最優先なのは同じですが、第2順位以降は「故人の収入で生計を維持していたか」が重視されます。
生前に受取人を指定しておくのが一番確実です。

では、新NISAの方はどうなのか。
実はiDeCoとは全く違う仕組みで、良い面も悪い面もあります。
ここからは新NISAの相続ルールを詳しく見ていきましょう。
最後にiDeCoとNISAの比較表もまとめますので、両方やっている方はぜひ最後までお付き合いください。

新NISAの非課税、あなたが死んだら終わります

さて、iDeCoの次は新NISAです。
新NISAの非課税メリットにも実は「期限」があります。それは、あなたが亡くなった瞬間です。

新NISAは非課税保有期間が無期限なので「一生非課税で持てる!」と思っている方も多いかもしれません。
確かに生きている間はその通りなのですが、口座の名義人が死亡した時点でNISA口座は制度上廃止され、非課税の扱いは終了します。

ちゃすく
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「非課税期間は無期限」は嘘ではないけど、あくまで自分が生きている間の話です。
ここを勘違いしている人が本当に多い。

では、亡くなった後に新NISAの資産がどう扱われるのか。
まずは基本ルールを押さえましょう。

NISA口座は相続できない

最も重要なルールがこれです。
亡くなった方(被相続人)の新NISA口座の資産を、相続人の新NISA口座にそのまま移すことはできません。

たとえ相続人が自分のNISA口座を持っていたとしても、相続によって取得した資産はNISAの非課税枠の対象外です。
相続人は被相続人の資産を特定口座(課税口座)で受け取ることになります。

NISA口座の相続で覚えておくべき基本ルール

①NISA口座のまま相続人に引き継ぐことはできない(特定口座で受け取る)
②被相続人のNISA口座から直接売却することはできない(移管してから売却)
③死亡を知った後、遅滞なく証券会社に届出が必要
④原則として被相続人と同じ証券会社に相続人の口座が必要
⑤死亡日までの含み益には税金(所得税・住民税)がかからない(後述)
⑥ただし、NISA資産も相続税の対象になる
⑦死亡日以降に支払われる配当金は課税される
⑧上場株式やETFの相続税評価額は4つの中から最も低い金額を選べる(一般投資信託は亡くなった日の基準価額で評価)

ルールだけ並べると不安になりますよね。
でも実は、NISA口座の相続には意外と知られていない「お得な仕組み」があります。
それが「死亡日までの含み益には税金(所得税・住民税)がかからない」というルールです。

次のセクションでは具体的な金額を使って、このお得な仕組みの中身を解説します。

含み益があっても税金ゼロ?具体例で解説

ここからが新NISAの相続で最も重要なポイントです。
NISA口座で運用していた資産は、被相続人が亡くなった日の時価が新しい取得価額として相続人に引き継がれます。

何を言っているか分かりにくいと思うので、具体例で見ていきましょう。

具体例1:含み益が1500万円あるケース

ケース1:NISA口座に含み益がある場合

被相続人(父)がNISA口座で500万円分のオルカンを購入
↓ 長期運用で値上がり
死亡時の評価額:2000万円(含み益1500万円)

この場合、1500万円もの含み益がありますが、被相続人が亡くなった時点でNISA口座の資産は「払い出し」されたとみなされます。
そして、NISA口座内の利益は非課税ですから、この1500万円の含み益に税金(所得税・住民税)はかかりません。

さらに重要なのが、相続人が引き継ぐ際の取得価額です。
相続人の特定口座には「死亡日の時価=2000万円」が新しい取得価額として記録されます。
つまり、相続人にとっては「2000万円で買った」のと同じ扱いになるわけです。

項目金額
被相続人の購入額500万円
死亡時の評価額2000万円
含み益1500万円
含み益にかかる税金(所得税・住民税)0円
相続人の新しい取得価額2000万円
※相続税は別途検討が必要(後述)

つまり、もし相続後にそのまま2000万円で売却しても、取得価額2000万円−売却額2000万円=利益0円なので税金はかかりません。
仮にその後3000万円まで値上がりしてから売却した場合は、3000万円−2000万円=1000万円の利益に対して約20.315%の税金(所得税+住民税)がかかることになります。

ちゃすく
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ポイントは、被相続人の生前の含み益1500万円が丸ごとチャラになるということ。
これ、特定口座の相続とは全く違う仕組みです。

もし特定口座で持っていたら?NISAとの比較

ここで比較したいのが、もし同じ資産を特定口座で持っていた場合です。
特定口座で保有していた株式等を相続する場合は、被相続人が購入した時の取得価額がそのまま引き継がれます。

項目NISA口座特定口座
被相続人の購入額500万円500万円
死亡時の評価額2000万円2000万円
相続人の取得価額2000万円(リセット)500万円(引き継ぎ)
2000万で売却した場合の利益0円1500万円
税金(約20.315%)0円約305万円
※相続税は同額のため省略

このように、NISA口座で保有していた場合は取得価額が死亡日時価にリセットされるため、相続人にとって税金面(所得税・住民税)で約305万円も有利になります。

「NISAの非課税は死んだら終わる」と聞くとマイナスに聞こえますが、実は税金面(所得税・住民税)ではNISAで持ち続けた方が圧倒的にお得なんです。
むしろ「NISAで持っていたおかげで含み益の税金がゼロになった」と考える方が正確です。

ちゃすく
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「NISAの非課税が終わる」と聞いて慌てて生前に売却する人がいますが、それは完全に間違いです。
NISAで持ったまま亡くなった方が、税金面ではお得。

ただし、ここまでは所得税・住民税の話です。
実は、これらとは別に「相続税」という全く別の税金が存在します。
そしてNISA資産が大きく膨らんだ場合、この相続税が新NISAの最大の落とし穴になりえます。
相続税のシミュレーションは後ほど具体的に行いますが、まずは含み損が出ているケースを見ておきましょう。

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含み損がある場合はガチで損する

含み益がある場合のNISA相続は税金面でお得でしたが、含み損がある場合は逆に大きなデメリットが発生します。
ここはNISA相続の中で最も注意が必要なポイントです。

具体例2:含み損が1000万円あるケース

ケース2:NISA口座に含み損がある場合

被相続人(父)がNISA口座で1800万円分のオルカンを購入
↓ 暴落で値下がり
死亡時の評価額:800万円(含み損1000万円)

この場合、相続人の取得価額は死亡日の時価である800万円にリセットされます。
被相続人が1800万円で購入したという情報は消えてしまうわけです。

これだけでも痛いのですが、問題はここからです。

NISA口座の含み損は損益通算できない

もし同じ含み損が特定口座で発生していたらどうなるか、比較してみましょう。
条件は同じ「1800万円で購入→死亡時800万円に下落」で、相続人が800万円で売却した場合です。

項目特定口座で保有していた場合NISA口座で保有していた場合
被相続人の購入額1800万円1800万円
死亡時の評価額800万円800万円
相続人の取得価額1800万円(被相続人から引き継ぐ)800万円(死亡日時価にリセット)
800万円で売却した場合の損益800万−1800万=▲1000万円の損失800万−800万=損益ゼロ
損益通算可能(他の利益と相殺して最大約203万円の節税効果)不可(損失が存在しないため通算するものがない)
※特定口座の場合、さらに3年間の繰越控除も利用可能

特定口座で保有していた場合、相続人は被相続人の取得価額1800万円を引き継ぐため、800万円で売却すれば1000万円の損失が確定します。
この損失は他の投資利益と損益通算でき、さらに確定申告すれば3年間繰り越すこともできます。

一方、NISA口座の場合は取得価額が死亡日時価の800万円にリセットされるため、800万円で売却しても損益はゼロです。
被相続人が実際に被った1000万円の損失は、制度上どこにも計上されず消えてしまいます。

ちゃすく
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含み益の場合は「取得価額リセット」のおかげで税金ゼロになるのがメリットでしたが、含み損の場合は同じリセットが逆に働くんです。
特定口座なら使えたはずの「損失1000万円分の損益通算」が、NISA口座だと丸ごと消えてしまう。

相続後に値上がりしたら二重苦

さらに厳しいのが、相続後に株価が回復したケースです。
同じ条件(1800万円で購入→死亡時800万円→その後1800万円に回復→売却)で比較してみましょう。

項目特定口座で保有していた場合NISA口座で保有していた場合
被相続人の購入額1800万円1800万円
死亡時の評価額800万円800万円
相続人の取得価額1800万円(引き継ぎ)800万円(リセット)
1800万円に回復して売却1800万−1800万=利益ゼロ1800万−800万=利益1000万円
税金(約20.315%)0円約203万円
※被相続人にとっては1円も儲かっていないのに、NISA口座では約203万円の税負担が発生

特定口座なら取得価額が1800万円のまま引き継がれるため、元の価格に戻って売却しても利益ゼロ=税金ゼロです。
しかしNISA口座の場合、取得価額が800万円にリセットされているため、元に戻っただけで1000万円の「利益」が発生し、約203万円もの税金がかかります。

「損失の損益通算ができない」に加えて「値戻りしただけで課税される」という二重苦です。

ちゃすく
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含み益なら「NISAが有利」、含み損なら「特定口座の方がマシ」。
取得価額リセットは両刃の剣ということです。
ただし、長期インデックス投資なら含み損のまま亡くなる確率は低いので、過度に心配する必要はありません。

では次に、所得税・住民税よりも実は怖い「相続税」について具体的なシミュレーションを見ていきましょう。

NISA資産に相続税はかかるのか?具体計算で確認

冒頭のiDeCoセクションで「iDeCoの死亡一時金にはみなし相続財産としての非課税枠(500万円×法定相続人数)がある」と解説しました。
では新NISAはどうか。残念ながら、NISAにはこのような非課税枠は存在しません。
NISAの「非課税」はあくまで運用益への税金(所得税・住民税)の話であり、相続税とは全く別の制度です。

NISA口座にある株式や投資信託も、預貯金や不動産と同様に相続財産として扱われ、相続税の課税対象になります。

相続税の基礎控除をおさらい

相続税が発生するかどうかは、遺産の総額が基礎控除額を超えるかどうかで決まります。

相続税の基礎控除額

基礎控除額 = 3000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
※この基礎控除は「遺産全体に対して1回だけ」適用されます。相続人1人ずつに4800万円の控除があるわけではありません

遺産の総額がこの基礎控除額以下であれば、相続税は一切かかりません。
基礎控除を超えた場合、その超えた金額を法定相続分で按分し、各人の税額を計算した上で合計して相続税の総額を算出します。
そして、相続税の総額を実際に遺産を取得した割合に応じて各相続人が負担する、という仕組みです。

ちゃすく
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「3人で分けたら3人分の控除がある」と勘違いしやすいですが、基礎控除は遺産全体に対して1回だけ。
ただし、法定相続人の数が多いほど控除額は増えます(1人増えるごとに600万円UP)。

では、新NISAで長期運用した資産がどれくらい膨らむと基礎控除を超えてくるのか、具体的にシミュレーションしてみましょう。

ケース1:NISA資産が大きく成長した家庭

シミュレーション条件:ケース1

家族構成:夫(被相続人)・妻・子2人 → 法定相続人3人
基礎控除額:3000万円 + 600万円 × 3人 = 4800万円

遺産の内訳評価額
持ち家(土地・建物)3000万円
預貯金1000万円
新NISA資産(死亡時の時価)3000万円
遺産総額7000万円
※新NISAに1800万円を投入し、約7%の年利で8年ほど運用した想定

遺産総額7000万円 − 基礎控除4800万円 = 2200万円が課税対象です。
この場合、相続税の申告が必要になります。

ただし、相続税を大幅に減らせる特例もある

配偶者の税額軽減:配偶者が取得した遺産が1億6000万円以下、または法定相続分以下であれば、配偶者の相続税はゼロになる
小規模宅地等の特例:自宅の土地について、一定の要件を満たせば評価額を最大80%減額できる(3000万円の土地 → 600万円で評価)
※いずれも適用するには相続税の申告が必要です

上のケースでも、配偶者の税額軽減を使えば妻の相続税はゼロになりますし、小規模宅地等の特例を使えば持ち家の評価額を大幅に下げて基礎控除内に収められる可能性もあります。
ただし、これらの特例を使うには相続税の申告書を税務署に提出する必要があるので、「基礎控除を超えそうだな」と思ったら早めに税理士に相談しておくのがオススメです。

ちゃすく
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新NISA枠1800万円をフルに使って年利7%で20年運用すると、約7000万円になります。
NISA資産だけで基礎控除を超えてくる可能性があるということです。

ケース2:NISA資産がまだ小さい家庭

遺産の内訳評価額
持ち家(土地・建物)2000万円
預貯金500万円
新NISA資産(死亡時の時価)1500万円
遺産総額4000万円

遺産総額4000万円 < 基礎控除4800万円なので、このケースでは相続税はかかりません。

上場株式・ETFの評価額は4つから最も低い金額を選べる

なお、上場株式やETF(上場投資信託)の相続税評価額は以下の4つの中から最も低い金額を選択できます。

相続税評価額の4つの選択肢

①亡くなった日の終値(基準価額)
②亡くなった月の終値(基準価額)の平均額
③前月の終値(基準価額)の平均額
④前々月の終値(基準価額)の平均額

例えば亡くなった日がたまたま株価の急騰日だった場合でも、前月や前々月の平均で評価できるため、相続税を低く抑えられる場合があります。

ちゃすく
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注意点として、この4つの選択肢が使えるのは上場株式とETF(上場投資信託)・REIT等の場合です。
eMAXIS Slimシリーズのような非上場の一般投資信託は、制度上「亡くなった日の基準価額」で評価することになっていて、4つから選ぶことはできません。
NISAでインデックス投信を持っている方が大半だと思うので、ここは覚えておきましょう。

新NISAの1800万円が将来の相続税リスクになる

ここで40代50代の方にぜひ意識してほしいのが、新NISAの長期運用による資産の膨張です。

かつての「老後2000万円問題」が話題になった頃は、NISAの投資枠は旧つみたてNISAで800万円しかありませんでした。
しかし新NISAでは生涯投資枠が1800万円に拡大され、しかも非課税保有期間は無期限です。

仮に45歳で1800万円をNISAに入れて年利7%で運用した場合、65歳時点で約7000万円、75歳時点で約1億4000万円まで膨らむ計算です。
持ち家がある方なら、NISA資産だけで基礎控除を大幅に超えてくる可能性は十分にあります。

ちゃすく
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かつて相続税は一部の富裕層だけの問題でしたが、平成27年に基礎控除が大幅に引き下げられ、さらに新NISAで一般家庭の金融資産が膨らむと、庶民でも普通に相続税がかかる時代になります。

ここまでで「税金面(所得税・住民税)はNISAで持ったまま亡くなった方がお得」「でも相続税は別問題で膨らむと怖い」ということが分かりました。
次は、いざ相続が発生した時に慌てないための手続きの流れを確認しておきましょう。

NISA口座の相続手続き:慌てないための流れ

実際にNISA口座を保有している家族が亡くなった場合、何をすればいいのか。
ここでは手続きの流れを4ステップで解説します。

ステップ1:証券会社に死亡届出書を提出する

口座開設者が亡くなったことを知った後、相続人は遅滞なく証券会社に「非課税口座開設者死亡届出書」を提出する必要があります。
「遅滞なく」に具体的な期限はありませんが、できるだけ早く対応しましょう。

この届出をしない限り、被相続人のNISA口座内の資産を売却することも移管することもできません。

ステップ2:相続人が同じ証券会社に口座を開設する

NISA口座の資産を移管するには、原則として被相続人と同じ証券会社に相続人の口座が必要です。
例えば被相続人がSBI証券でNISAをやっていたなら、相続人もSBI証券に口座を開設することになります。

ちゃすく
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ネット証券ならオンラインで口座開設できるので楽ですが、地方の銀行だと対面でしか口座開設できないこともあります。
家族には事前にどこの証券会社を使っているか伝えておきましょう。

ステップ3:必要書類を準備して提出する

一般的に必要な書類は以下の通りです。

相続手続きに必要な主な書類

非課税口座開設者死亡届出書
戸籍謄本(被相続人の出生から死亡まで)
相続人全員の印鑑登録証明書
遺産分割協議書(相続人が複数の場合)
相続上場株式等移管依頼書

証券会社によって必要書類は多少異なるので、まずは証券会社の相続専用窓口に連絡して確認するのが確実です。

ステップ4:資産の移管完了

書類が受理されると、被相続人のNISA口座から相続人の特定口座に資産が移管されます。
移管が完了すれば、相続人は自分の判断で保有を続けるか売却するかを選べます。

なお、被相続人がどの証券会社を使っていたか分からない場合は、証券保管振替機構(通称:ほふり)に情報開示請求を行うことで調べられます。

ちゃすく
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ほふり(証券保管振替機構)は証券を一元管理している機関です。
故人がどこの証券会社に口座を持っていたか、郵送で開示請求すれば教えてもらえます。

手続きの流れを押さえたところで、ここで冒頭のiDeCoと新NISAの相続ルールを比較しておきましょう。

iDeCoと新NISAの相続ルールを比較

冒頭でiDeCoの死亡時ルールを解説し、ここまでで新NISAの死亡時ルールも詳しく見てきました。
両方の仕組みが分かったところで、比較表にまとめます。

比較項目iDeCo新NISA
死亡時の資産の扱い強制売却→現金で一括支給投資信託のまま特定口座に移管
売却タイミング選べない(自動売却)相続人が自由に選べる
相続税の扱いみなし相続財産(非課税枠あり)通常の相続財産(非課税枠なし)
非課税枠500万円×法定相続人数なし(基礎控除のみ)
含み益への税金(所得税・住民税)かからない(一時金として支給)かからない(取得価額リセット)
含み損の扱い損失確定(損益通算不可)損失確定(損益通算不可)
請求期限5年以内(3年超で不利に)特になし(早めの届出を推奨)
受取人の決め方確定拠出年金法の優先順位(生前指定も可)遺産分割協議で決定
※どちらも「家族に加入を伝えておく」ことが最重要

iDeCoは「非課税枠がある代わりに強制売却」、NISAは「非課税枠がない代わりに売却タイミングを選べる」という、全く逆の特徴を持っています。

ポイントをまとめると、iDeCoは相続税の面では有利(非課税枠あり)ですが、暴落時に死亡すると安値で強制売却されるリスクがあります。
一方のNISAは相続税の非課税枠はないものの、取得価額リセットによる税金ゼロのメリットがあり、相続人が売却タイミングをコントロールできる柔軟さがあります。

ちゃすく
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両方に加入している方は、それぞれ別の手続きが必要です。
iDeCoは運営管理機関(金融機関)に死亡届、NISAは証券会社に死亡届。
家族には「iDeCoとNISAの両方をやっていること」を必ず伝えておきましょう。

生前にやっておくべき6つの対策

ここまでの内容を踏まえて、NISA口座を持っている方が生前にやっておくべき対策を6つ紹介します。
家族を慌てさせないために、そして税負担を最小限にするために、今日からできることばかりです。

対策1:家族に証券口座の存在を共有する

最も基本的かつ最も重要な対策です。
どの証券会社に口座があるのか、どんな商品を保有しているのか、ログイン情報はどうすれば確認できるのか。
これらを家族と共有しておくだけで、相続時の負担は大幅に軽減されます。

特に注意したいのが、複数の証券会社に口座がある場合です。
「メインはSBI証券だけど、昔つみたてNISAで楽天証券も使っていた」というケースは珍しくありません。
NISA口座だけでなくiDeCoの口座情報も含めて、すべての口座の情報を遺族へ適切に伝えられるようにしておくことがオススメです。
iDeCoの場合は受取人を生前に指定できるので、まだ指定していない方は必ず手続きしておきましょう。

ちゃすく
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「どこに口座があるか分からない」は意外と多いパターンです。
先ほど紹介したほふりを使えば調べられますが、郵送で何週間もかかります。
事前に家族へ伝えておく方がはるかに楽です。

対策2:家族と同じ証券会社に口座を作っておく

NISA口座の資産を移管するには、原則として同じ証券会社に相続人の口座が必要です。
親がSBI証券を使っているなら、子供もSBI証券に口座を開設しておきましょう。

ネット証券であれば全国どこからでもオンラインで口座開設できるため、地理的な問題はありません。
ただし、地方銀行など対面でしか口座開設できない金融機関を使っている場合は、相続人が遠方に住んでいると手続きが大変になります。

今からNISAを始める方はもちろん、すでにNISAを運用している方も「家族が同じ証券会社に口座を持っているか」を確認しておきましょう。

対策3:投資の考え方を家族に共有する

これは見落とされがちですが、非常に重要な対策です。
相続で受け取った資産を「よく分からないから全部売ってしまおう」と判断する家族は少なくありません。

しかし、せっかく長期でインデックス投資を続けてきた資産を、暴落時にパニック売りされたら目も当てられません。
「長期・分散・低コスト」という基本的な考え方を家族と共有しておくことで、相続後も合理的な資産管理を続けられる可能性が高まります。

ちゃすく
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一番怖いのは、暴落のタイミングで相続が発生し、投資を知らない家族がパニック売りすること。
「オルカンは長期で持てば大丈夫」と伝えておくだけでも全然違います。

対策4:相続税対策を早めに検討する

前のセクションのシミュレーションで見た通り、新NISAの資産が大きく膨らむと庶民でも相続税がかかる可能性があります。
特に持ち家がある方は要注意です。

対策としては、生前贈与の活用が一般的です。
年間110万円までの暦年贈与は非課税なので、毎年少しずつ子供や孫に資産を移していくことで、相続財産を減らすことができます。

贈与を受けた子供や孫がその資金を自分のNISA口座で運用すれば、非課税で資産形成を進められます。
2026年度の税制改正で未成年でもつみたて投資枠(年間60万円、上限600万円)が利用できるようになる予定ですので、孫への贈与+NISAという組み合わせも選択肢に入ってきます。

注意:教育資金贈与の非課税措置は2026年3月末で終了

直系尊属から教育資金を一括贈与した場合に最大1500万円まで非課税になる制度は、2026年3月末で終了します。
この制度を利用していた方は、代替手段として暦年贈与+子供・孫のNISA活用を検討してみてください。
なお、都度の教育費の贈与(毎月の学費を祖父母が直接支払う等)は元々非課税なので、そちらは変わりません。

対策5:ハイリスク銘柄はNISAに入れるか慎重に検討する

先ほどの含み損セクションで見た通り、NISA口座で含み損を抱えたまま亡くなると、損益通算ができず税制上不利になります。
オルカンやS&P500のようなインデックスファンドであれば長期保有で含み損になる可能性は低いですが、成長投資枠で個別株を買っている方は少し注意が必要です。

例えば、メタプラネットやマイクロストラテジーのようなBTCトレジャリー企業、あるいは新興テック株など、値動きが大きい銘柄は暴落時に50〜80%下落することも珍しくありません。
こうした銘柄をNISAの成長投資枠で保有していて、たまたま暴落のタイミングで亡くなった場合、含み損の損益通算ができないデメリットが現実的に効いてきます。

もちろん、ハイリスク銘柄でも利益が出れば非課税のメリットは大きいですし、特定口座に入れたら入れたで利益に約20%の税金がかかります。
NISAで買うべきかどうかは結果論になりますが、NISAの生涯投資枠は1800万円しかないので、貴重な非課税枠を「含み損リスクが高い銘柄」に使うよりも、長期で堅実に成長が見込める銘柄に優先配分した方が合理的かもしれません。

ちゃすく
ちゃすく

「ハイリスク銘柄は絶対に特定口座にしろ」という話ではありません。
ただ、NISA枠1800万円の使い道として、相続時のリスクも含めて考えると、コアはインデックスで固めて、ハイリスク銘柄は特定口座で持つという選択肢もあるよね、という話です。

対策6:相続したら自分のNISA枠で買い直す

最後に、相続を「受ける側」の対策です。
相続した資産は特定口座に入りますが、そのまま特定口座で持ち続けるよりも、自分のNISA枠で買い直した方が長期的にはお得になる可能性があります。

具体的には、相続で受け取った投資信託を売却し、その資金で自分のNISA口座から同じ(または類似の)投資信託を購入します。
こうすることで、今後の運用益が再び非課税になります。

特定口座で持ち続ける vs NISAで買い直す

特定口座のまま:今後の値上がり益に約20.315%の税金がかかる
NISAで買い直す:今後の値上がり益は非課税

ただし、NISAの年間投資枠は360万円(つみたて枠120万円+成長投資枠240万円)ですので、相続資産が大きい場合は数年に分けて移していく必要があります。
また、特定口座での売却時に取得価額との差額がプラスなら税金(約20.315%=所得税+住民税)がかかる点にも注意してください。
前述の通り、NISA口座からの相続であれば取得価額が死亡日時価にリセットされているため、すぐに売却すれば利益はほぼゼロ=税金もほぼゼロで買い直しが可能です。

知っておきたい:取得費加算の特例

相続税を支払った方が、相続開始から3年10ヶ月以内に相続した株式等を売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」があります。
これはNISA口座から相続した資産にも適用可能です。
相続税が発生するケースでは、この特例を使って売却時の所得税をさらに圧縮できるため、税理士に相談してみてください。

ちゃすく
ちゃすく

相続したら「すぐ売却→NISAで買い直し」が最強の動きです。
取得価額がリセットされている直後なら税金はほぼゼロだし、NISAに入れれば今後の利益も非課税。
NISA枠が年360万円なので、計画的に数年で移しましょう。

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