せっかく資産を築いても、取り崩し方で失敗する人は多いです。
実は資産の取り崩しには最適な順番や方法があり、これを間違えると数百万円単位で損をする可能性があります。
そこで今回の記事では、40代50代向けに最適な資産の取り崩し方法を徹底解説していきます。
NISA・iDeCo・特定口座の取り崩し順番から、具体的な売却方法、さらに資産寿命を伸ばす裏技まで解説しているので、ぜひ最後までチェックしてください。
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資産を取り崩す最適な順番とは?NISA・iDeCo・特定口座を徹底比較
まず、40代50代が知っておくべき最も重要なポイントが「どの口座から取り崩すか」という順番です。
結論から言うと、基本的な取り崩しの優先順位は下記の通りです。
- 第1優先:特定口座(課税口座)
- 第2優先:iDeCo(受取タイミングに注意)
- 第3優先:新NISA(最後まで温存)
- 第1優先:iDeCo(受取期限があるため先に消化)
- 第2優先:新NISA(完全非課税を活用)
- 第3優先:特定口座(売却せず担保にして現金調達)
証券担保ローンを活用する場合は、特定口座の資産を売却せずに担保として現金を調達できます。
この場合、特定口座は最後まで温存し、複利効果を最大化しながら税金ゼロで現金を得られます。
なぜこの順番なのか、それぞれの口座の特徴と取り崩し時の税金について詳しく解説していきます。
特定口座を最初に取り崩すべき理由(基本パターン)
特定口座は利益に対して約20.315%の税金がかかりますが、以下の理由から基本的には最初に取り崩すのがセオリーです。
理由1:非課税口座の複利効果を最大化できる
新NISAやiDeCoは運用益が非課税なので、長く運用すればするほど複利効果が大きくなりやすいです。
一方、特定口座は利益確定のたびに約20%が引かれるため、長期運用のメリットが相対的に薄いです。
したがって、課税される特定口座を先に取り崩し、非課税口座は最後まで運用を続けるのが合理的です。
理由2:特定口座の税金は意外と小さいことも
実は、特定口座で投資信託を取り崩す場合、課税されるのは「利益部分のみ」です。
計算式は下記の通りです。
課税額 = 取り崩し予定額 × 含み益の比率 ÷ (1+含み益の比率) × 20.315%
例えば、投資元本800万円、含み益200万円の投資信託から40万円を取り崩す場合を考えてみましょう。
- 含み益の比率:200万円 ÷ 800万円 = 25%
- 課税額:40万円 × 0.25 ÷ 1.25 × 20.315% = 約16,252円
- 手取り:40万円 − 16,252円 = 約383,748円
40万円を取り崩しても税金は約16,000円程度なので、実は税負担があるとは言っても取り崩し初期はそれほど大きくならないパターンも多いです。
もちろん、取り崩しの後半になれば税負担は20.315%へどんどん収束していきますが、その間に非課税枠で資産を最大化できるので、やはり特定口座から取り崩しを行った方がお得になりやすいです。
理由3:将来的な増税リスクがある
現在の日本の金融所得課税は約20.315%ですが、将来的にこの税率が25%や30%へ引き上げられる議論が度々なされています。
新NISAやiDeCoであれば、将来税率がどう変わろうと「非課税」であることに変わりはありません。
しかし、特定口座は税制改正の影響を直に受けます。
もし特定口座を後回しにし、数十年後にいざ取り崩そうとしたタイミングで税率が上がっていた場合、せっかく増えた利益の手取り額が大きく削がれてしまうことになります。
「税率が約20%である今のうちに課税資産を処理し、将来の不確実な増税リスクを消しておく」という意味でも、特定口座から優先して使うのが安全かつ合理的です。
なぜiDeCoが新NISAより先なのか?3つの理由
「どっちも優遇制度なのに、なぜiDeCoを先に取り崩すの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
iDeCoを新NISAより先にすべき理由は以下の3つです。
理由1:iDeCoには受取期限がある(75歳まで)
そもそもiDeCoは75歳までに受け取りを開始しなければなりません。
もし受け取りの手続きを自分でしなかった場合は期限日に一時金として支払われます。
一方、新NISAには期限がなく、いつまでも非課税で運用し続けることができます。
受給開始期限のあるiDeCoを先に消化し、期限のない新NISAは最後まで温存するのが合理的です。
理由2:iDeCoは受取時に課税される可能性がある
iDeCoは運用中は非課税ですが、受取時に「退職所得」または「雑所得」として課税される可能性があります。
特に退職金が多い人は、退職所得控除の枠を食い合って高額な税金が発生するリスクがあります。
一方、新NISAは運用中も受取時も完全非課税です。
課税リスクのあるiDeCoを先に受け取り、完全非課税の新NISAは最後まで運用し続けることで、資産全体の税負担を最小化できます。
理由3:iDeCoは相対的に改悪余地が大きい
iDeCoは新NISAよりも複雑な制度になっており、実は下記のように改悪余地が新NISAよりも大きいです。
- 退職所得控除の限度額が下がる
(≒一時金受け取りでの実質的な非課税限度額が下がる) - 公的年金等控除の限度額が下がる
(≒年金受け取りでの実質的な非課税限度額が下がる) - 会社の退職金とiDeCoを受け取る際に空けるべき年数が長くなる
(5年ルールが2026年からは10年ルールへ)
改悪余地が大きいものを長く保有することは損するリスクを年々上げることになるので、どちらかと言えば改悪余地が小さい新NISAを残しておいた方が安心です。
新NISAは最後まで温存すべき理由
新NISAは運用益も受取時も完全非課税という最強の制度です。
そのため、以下の理由から最後まで温存するのが基本戦略です。
理由1:複利効果を最大限に活かせる
非課税で運用できるため、利益が利益を生む複利効果を最大限に活かせます。
例えば1,800万円を年利7%で20年間運用すると、約7,000万円になります。
iDeCoでは控除額の限度があるため、上記のような7000万円クラスで全て非課税で受け取れるのは新NISAだけです。
理由2:いつでも引き出せる柔軟性
iDeCoと違い、新NISAはいつでも引き出せます。
そのため「最後の砦」として残しておくことで、急な出費にも対応できます。
また、仮に改悪があってもiDeCoは引き出しがでないので可能な対応が限られていますが、新NISAであれば全額引き出して止めることも可能です。

自分が年を取った時に生活環境や日本そのものがどうなってるか予測することは難しいので、最後まで残すのであればできるだけ柔軟な制度である新NISAを残すべきですね。
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資産の取り崩し方法:定額vs定率どっちが正解?
次に、具体的な売却方法について解説します。
資産の取り崩し方法には主に「定額取り崩し」と「定率取り崩し」の2つがあります。
方法1:定額取り崩し
定額取り崩しとは、毎年同じ金額を取り崩す方法であり、下記のようなメリットがあります。
- 毎月の生活費が一定なので計画が立てやすい
- 株価が下がっても生活水準を維持できる

例えば運用資産3000万円ある場合は毎年120万円ずつ取り崩していくような方法ですね。
この方法であれば相場がどうであれ、毎月10万円入ってくるので生活は安定しやすいです。
しかし、定額取り崩しには下記のようなデメリットもあります。
- 株価が大きく下落した時に売却すると資産寿命が急速に減る(口数が多く売却される)
- インフレを考慮すると毎年取り崩し額を増やす必要がある
特に1のデメリットは非常に大きく、資産寿命が急速に減ってしまえば毎月安定した定額取り崩し自体が成立しなくなる危険性があります。
また、今は日本もインフレ社会になったので毎年物価は上昇していくと考えられます。
その場合、毎年定額では少しずつ生活が苦しくなるので、実際には日本のインフレ目標値である年2%ずつ取り崩し額を上げていくのが現実的です。
方法2:定率取り崩し
定率取り崩しとは、その時点の資産残高に対して一定の割合で取り崩す方法です。
例えば「毎年資産の4%を取り崩す」というルールであれば、毎年資産がどれだけであろうと4%分だけ取り崩します。
- 値動きが激しい相場でも資産枯渇リスクが低い
- 株価上昇時は取り崩し額も増えて生活が豊かに
- 毎月の収入が変動するので生活設計が難しい
- 株価下落時は収入が下がるため、対策が必要
定率取り崩しであれば相場の状況に関わらず、一定の割合で取り崩しを行うので、下落相場でも多く売却することがありません。
仮にインフレがあったとしてもオルカンなどであればインフレを織り込んだ分上昇するため、インフレ率に合わせて取り崩し額を調整する必要がない場合も多いです。
しかし、下落相場時は取り崩し収入が下がってしまうため、取り崩し額や年金額によっては売却額を嫌でも上げるしかない状況もあり得ます。
4%ルールは定額取り崩しに該当する
定額取り崩しと定率取り崩しのどちらが良いかは1998年にアメリカのトリニティ大学で発表された研究(いわゆる「トリニティ・スタディ」)で実証されており、過去の相場であれば定額取り崩しが有利です。
というのも、トリニティ・スタディで推奨されている4%ルールが定額取り崩しに該当するからですね。

4%ルールって聞くと毎年資産の4%を売却する定率取り崩しと勘違いしやすいですが、トリニティスタディでの条件は下記の通りです。
- トリニティ・スタディの研究対象は1926〜1995年
- インフレや税金などは当時のアメリカが基準
- 資産をS&P500へ50%、米国債券へ50%投資したポートフォリオ
- 初年度に資産の4%を取り崩し、その後はインフレ率分だけ取り崩し額を上げる
- 4%ルールの場合、30年後も資産が残っている確率は95%超え
つまり、初年度に資産の4%を売却しているだけなので、翌年以降も全資産の4%を売却していく訳ではありません。
あくまで翌年以降は初年度と同じ額にインフレ率分を上乗せした額だけ売却するので、トリニティスタディによって推奨されている4%ルールはどちらかと言えば定額取り崩しに該当します。

なので、歴史的には定額取り崩しで初年度に資産の4%で始めるのが最適です。
【シミュレーション】定額vs定率を40年間で徹底比較
では実際に、定額取り崩しと定率取り崩しで40年間運用した場合、どのような違いが出るのでしょうか?
具体的な数値でシミュレーションしてみました。
- 初期資産:7,000万円
- 運用期間:40年間
- 年間リターン:8.7%(オルカン過去30年平均)
- インフレ率:2%(定額の場合は毎年取り崩し額を2%増加)
- 定額取り崩し:初年度280万円/年(4%ルール)
- 定率取り崩し:毎年資産の4%
定額vs定率の比較結果
| 項目 | 定額取り崩し | 定率取り崩し |
|---|---|---|
| 初年度取り崩し額 | 280万円/年 | 280万円/年 |
| 40年目取り崩し額 | 606万円/年 | 1,475万円/年 |
| 40年間の取り崩し総額 | 約1億6,900万円 | 約2億8,900万円 |
| 40年後の残資産 | 約7億9,000万円 | 約3億8,500万円 |
| 取り崩し+残資産の合計 | 約9億6,000万円 | 約6億7,400万円 |
定額取り崩しの方が40年後の残資産が約2倍になっています。
これは定額の方が取り崩し額が少ないため、複利効果がより長く働くからです。
年次推移の比較(5年ごと)
| 経過年数 | 定額:資産 | 定額:取崩額 | 定率:資産 | 定率:取崩額 |
|---|---|---|---|---|
| 0年目 | 7,000万円 | – | 7,000万円 | – |
| 5年目 | 8,745万円 | 303万円 | 8,662万円 | 332万円 |
| 10年目 | 1億1,197万円 | 335万円 | 1億718万円 | 411万円 |
| 20年目 | 1億9,783万円 | 408万円 | 1億6,410万円 | 629万円 |
| 30年目 | 3億8,244万円 | 497万円 | 2億5,126万円 | 963万円 |
| 40年目 | 7億9,157万円 | 606万円 | 3億8,471万円 | 1,475万円 |

定率取り崩しは40年目に年間1,475万円も取り崩せます!
老後に豪華な生活をしたい人には定率の方が魅力的ですね。
ちなみに楽天証券やSBI証券では「定期売却サービス」があり、毎月自動で投資信託を売却してくれます。
手動で売却する手間が省けるのでおすすめです!
資産寿命を伸ばす裏技3選
ここからは、資産の取り崩し額を最大にしつつ、資産寿命を伸ばす裏技を5つ紹介します。
これらを活用すれば、本来の資産以上の金額を利用することが可能です。
裏技1:証券担保ローンを活用する
資産額が大きくなると、特定口座で保有する株式を売却するたびに約20%の税金がかかります。
しかし、実は税金ゼロで現金を調達する方法があります。
それが「証券担保ローン」です。
証券担保ローンの仕組み
- 保有株を担保に金融機関からローンを受ける(楽天証券は証券担保ローン提供中)
- 株は売却しないため、含み益に対して課税されずに現金が手に入る
- 金利負担はかかるが、税金約20%よりも有利なこともある(楽天証券の場合は年1.875%〜)
証券担保ローンのメリット
- 税金の繰り延べ効果:将来、所得が少ない時期に売却すれば基礎控除を使って税負担を軽減できる可能性あり
- 複利効果を損なわない:売却するよりも複利効果が残りやすい→売却時の利益を増やす。インフレにも強い
- 低金利での資金調達:金利1〜3%程度で、お金を自由な用途で使える
- 担保割れリスク:株価が大きく下落すると追加担保を求められる可能性
- 金利負担:借りたお金には金利がかかる
- 資金管理の複雑さ:返済計画をしっかり立てる必要がある
実はこの方法は海外の富裕層が頻繁に使っている合法的なテクニックです。
ただし、上級者向けの方法なので、リスクをしっかり理解した上で活用してください。

2024年の大統領選でハリスさんが「含み益にも課税すべき」と指摘した最大の原因がこの方法です。
富裕層は買った株式を利確せず、担保にしてお金を借り続けることで課税を逃れているんです。
裏技2:所得が少ない年に売却して基礎控除を活用
特定口座の資産を売却するタイミングも重要です。
退職後など所得が少ない年に売却すれば、基礎控除(48万円)や各種控除を使って税負担を軽減できる可能性があります。
- 給与所得がある年:特定口座の売却益は分離課税で約20%課税
- 退職後で所得が少ない年:確定申告で総合課税を選択し、基礎控除や配偶者控除などで税負担を軽減
特に、亡くなるまで持ち続ければ相続税の基礎控除も活用できるため、生前に売却するよりも有利になるケースもあります。
裏技3:マイクロ法人を活用する(上級者向け)
資産規模が大きい方やフリーランス・副業をしている方には「マイクロ法人」の設立という選択肢もあります。
- 法人で厚生年金に加入すれば、個人の国民健康保険料の計算対象から外れる
- 法人の役員報酬を調整することで、社会保険料をコントロールできる
- 事業所得との損益通算が可能になる
- 経費として認められる範囲が広がる
- 法人設立には初期費用(約20〜30万円)がかかる
- 毎年の維持費(税理士費用、法人住民税など)が発生
- 投資資産が数千万円規模でないと費用対効果が見合わない可能性

私も法人を作った経験がありますが、正直、法人運営は結構面倒です。
税務署や役所への対応もあるので、保険料のためだけに法人を作るのはイマイチかもしれません。
フリーランスや副業をしている方なら検討の価値ありです!
40代50代が今すぐやるべきこと
最後に、40代50代が資産の取り崩しに向けて今すぐやるべきことをまとめます。
ステップ1:口座別の資産状況を把握する
まずは、以下の口座ごとに資産額と含み益を把握しましょう。
- 新NISA口座:資産額、投資元本、含み益
- iDeCo:資産額、加入期間、受取時の退職所得控除額
- 特定口座:資産額、投資元本、含み益
- 会社の退職金:見込み額、受取時期
ステップ2:取り崩しのシミュレーションをする
次に、いつから、いくらずつ取り崩すかシミュレーションしましょう。
ポイントは以下の3つです。
- 年間の生活費はいくら必要か
- 年金はいくらもらえるか
- 取り崩しでいくら補填する必要があるか
ステップ3:iDeCoの受け取り戦略を決める
特に退職金がある人は、iDeCoの受け取りタイミングを慎重に検討しましょう。
一時金か年金形式か、受け取り開始時期はいつにするか、事前に計画を立てておくことが重要です。
ステップ4:特定口座から新NISAへの移行を検討する
まだ新NISAの枠に余裕がある人は、特定口座の資産を段階的に新NISAへ移行することを検討しましょう。
含み益がある銘柄を売却する際は税金がかかりますが、長期的には新NISA口座に集約した方が有利です。
ステップ5:証券担保ローンの活用を検討する
特定口座の資産が大きい人は、証券担保ローンの活用も検討してみてください。
売却せずに現金を調達できるため、税金ゼロで複利効果を維持しながら生活費を賄えます。
ただし、リスクもあるので十分に理解した上で活用しましょう。
また、制度は今後も変わる可能性があるので、常に最新情報をチェックしながら柔軟に対応することが大切です。


