NASDAQ100がFANG+に劣る点4選
ここまで見ると「今後どうなるか分からないなら、NASDAQ100の方がFANG+より良いリターンを出しそうだな」と思うかもしれません。
ただ、FANG+がNASDAQ100よりも優れている点はいくつもあるんですよ。
①ファストエントリーでロックアップ前の高値掴み
NASDAQ100のFast Entryは、大型IPOを早く取り込める仕組みです。
ただ、上場直後は株価がどこに落ち着くかを市場がまだ探っている最中なので、指数が高値で買うリスクも同時に持つんですね。
SpaceXの値動きを見ると、この論点が分かりやすいです。2026年6月12日に公開価格135ドルで上場し、150ドルで初値を付けました。初日は一時176.52ドルまで上昇し、終値は160.95ドルでした。
その後は一時225.64ドルの最高値を付けたあと値を下げ、7月7日のNASDAQ100組み入れ後、7月10日の終値は145.30ドル。7月15日には一時134ドルまで下落して、公開価格135ドルを初めて下回りました。翌7月16日の寄り付きは135.01ドルです。
上場から1か月余りで、公開価格→初日の急騰→最高値更新→公開価格割れまでを経験したわけです。

もちろん、SpaceXの1例だけでFast Entryが必ず高値掴みになるとは言えません。
ただ、流通株数も評価も落ち着き切っていないロックアップ期間中に指数連動資金の買い需要が重なるため、値付けが安定する前の株価変動を指数が受け入れる仕組みであることは確かです。
Fast Entryは「大きくなった会社をすぐ指数に入れる」ためには合理的ですが、「値付けが落ち着くまで待つ」時間を短くする仕組みでもあります。
素早さがそのまま有利とは限らないんですね。
②急騰銘柄を事前に10%保有できない
時価総額加重方式のNASDAQ100では、新しく採用された企業や時価総額が小さい企業のウェイトは最初は低くなります。
SpaceXの組み入れ時ウェイトも約1.3%でした。
急成長企業を取り込めても、急騰前から10%という大きな比率で保有しているわけではないんですね。
その銘柄が大きく伸びるほどNASDAQ100内の比率も上がっていきますが、恩恵を大きく受けるのは成長が進んだ後になります。
一方で、FANG+は変動枠に採用された時点で原則10%のウェイトを持ちます。
FANG+も採用前からその銘柄を保有しているわけではありません。違いは、採用された時点で10%という大きな比率にそろえることです。採用後にさらに急騰するなら、NASDAQ100より初期ウェイトが大きい分だけ指数への寄与も大きくなりやすいわけです。
③ビッグテック間の資金ローテーションでは不利
ここが意外と見落とされがちなポイントなんですけど、ビッグテック同士で資金が移動するだけの相場では、NASDAQ100はFANG+に負けやすいんですよ。
NASDAQ100は時価総額加重なので、株価が上がった銘柄は指数に占める比率が相対的に大きくなり、下がった銘柄は相対的に小さくなります。
これは指数が「高くなった銘柄を買い増し、安くなった銘柄を売却する」という意味ではありません。株価変動によって、時価総額と相対ウェイトが自然に変わる仕組みです。
一方でFANG+は四半期ごとに全銘柄を10%に戻すので、値上がりした銘柄を売って値下がりした銘柄を買い増します。
ビッグテック間でリーダーが入れ替わる局面では、この逆張りリバランスが「安く買って高く売る」を自動的に繰り返してくれるわけです。

NVIDIAが一強で走り続ける相場ならNASDAQ100が勝ちますけど、ビッグテック間で主役が交代する相場ならFANG+の逆張りが効くわけです。
どっちの相場が来るかは誰にもわからないのが悩ましいですね。
④結局、AI投資の資金を出しているのは固定銘柄たち
AIで伸びる企業といえばNVIDIA、Micron、SK hynixのような半導体・メモリ企業に目が向きますよね。
でも、そのGPUやメモリ、データセンターを大規模に買っているのは、Microsoft、Alphabet、Amazon、Metaといった巨大プラットフォーマーなんです。
Alphabetは2026年の設備投資を1,750億〜1,850億ドル、Metaは1,250億〜1,450億ドルと見込んでいます。
Microsoftも2026年の設備投資を約1,900億ドルと見込んでいて、AIインフラへの巨額投資を続けています。
そして、このMicrosoft、Alphabet、Amazon、MetaはすべてFANG+の原則固定銘柄です。
AIの利益が半導体メーカーへ広がるシナリオではNASDAQ100が有利になりやすい一方、AI投資がクラウド、広告、EC、法人向けソフトの収益として巨大プラットフォーマーへ戻るなら、固定6銘柄を計60%持つFANG+が強い展開も十分あり得ます。
つまり「AIの勝者は周辺企業に移るからFANG+は不利」と決めつけるのも早いんですね。
資金を出している企業が最終的にどれだけ収益化できるかまで見ることが、両指数を比べるうえで大切です。
結局、FANG+とNASDAQ100どっちを積立していけばいい?
ここまで読むと「じゃあ結局、どっちを積み立てればいいの?」となりますよね。
結論から言うと、どちらか一方が万人にとって正解という話ではありません。既存のFANG+を、比較結果だけを理由に慌てて売る必要もないと思っています。
私自身は、20代のうちにありがたいことにコーストFIREを目指せる水準まで資産を増やせました。
そのため今は、新規の積立先をNASDAQ100にしています。
リターンの最大化だけでなく、これから市場の主役が変わっても、ルールに沿って構成銘柄が入れ替わっていくことを重視したいからです。

ただ、ここまで資産を増やせたのは間違いなくFANG+のおかげでもあります。
AIブーム前はGAFAM、AIブーム後はNVIDIAが大きく引っ張ってくれました。
FANG+はこういう人にオススメ
FANG+が合うのは、10銘柄への集中による大きな値動きを受け入れてでも、米国の大型テックと次の成長候補へ強く賭けたい人です。
GAFAMなどの巨大プラットフォーマーがAI投資を回収する局面や、変動枠の銘柄が採用後に大きく伸びる局面では、均等加重の10%が力を発揮します。
特に「値動きが大きくても、資産形成を加速させる可能性を取りたい」と考えるなら、FANG+は分かりやすい選択肢です。
その代わり、外れた銘柄も10%へ戻す仕組みなので、下落が続く局面も含めて付き合えることが前提になります。
入れ替えランキングを見るのも、個別株に興味がある人には面白い使い方です。
ただしランキングは「買うべき銘柄の答え」ではなく、規模・流動性・売上成長率・PSRから候補を探すための材料です。個別株を選ぶなら、決算や事業内容、株価水準も自分で確認したうえで、少額のサテライト枠にとどめるのがいいと思います。
NASDAQ100はこういう人にオススメ
NASDAQ100が合うのは、特定の10銘柄へ集中しすぎず、これから伸びる大型企業を時価総額に応じて取り込みたい人です。
市場の主役がプラットフォーマーから半導体、ソフトウェア、あるいは非米国企業へ変わっても、NASDAQ上場という条件を満たせば組み入れ候補になります。
FANG+より銘柄数が多く、個別銘柄の不調が指数全体へ与える影響も相対的には小さくなります。
ただしNASDAQ100も大型テックに寄った指数で、全世界株のように幅広い業種・地域へ分散する商品ではありません。「FANG+より変化に対応しやすい」と「低リスク」は別の話です。
中間案としてZテック20もある
FANG+の10銘柄では集中しすぎると感じる一方、NASDAQ100ほど銘柄数を増やしたくないなら、Zテック20も候補になります。
日本を除く世界のテクノロジー関連企業から時価総額上位20銘柄へ投資する、時価総額加重型のルールベースファンドです。
ただし、Zテック20は「安全な中間」ではありません。20銘柄のテック集中ファンドなので、銘柄数だけでなく、地域・業種・ウェイトの決め方まで理解して選ぶ必要があります。
FANG+とNASDAQ100の単純な中間ではなく、世界の大型テックへ時価総額加重で投資したい人のための、別の選択肢として考えるのがしっくりきます。

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