「iDeCoで月2万円積立すれば40代や50代なら勝ち組になれます」という動画もありますが、40代や50代って新NISAよりもiDeCoを優先するべきだと思いますか?
実はiDeCoと新NISAは併用もできますが、どちらへ大きな金額を積立した方が良いかはハッキリしています。
そこで今回の記事では新NISAとiDeCoを比較し、どちらを優先するべきなのか、併用する場合はどちらの積立額を大きくした方が良いのか解説していきます。
とある条件を満たす方は今すぐiDeCoを始めると生涯の非課税枠が増えるので、ぜひ最後までチェックしてください。

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iDeCoの基本情報:そもそもiDeCoとは?
まず、iDeCo(個人型確定拠出年金)の基本的な仕組みを確認しておきましょう。
iDeCoは、毎月掛金を積み立てて投資信託などで運用し、60歳以降に受け取ることができる私的年金制度です。
現在の加入者数は約381万人で、自営業・フリーランスから会社員、公務員、専業主婦(主夫)まで幅広く利用されています。
働き方別の掛金上限(2025年現在)
ただし、iDeCoの掛け金は下表のように働き方で決まっており、自営業やフリーランスなどの個人事業主であれば毎月最大6万8000円までです。
| 働き方 | 月額上限 |
|---|---|
| 自営業・フリーランス | 6万8000円 |
| 企業型DCやDBがある会社員・公務員 | 2万円(※) |
| 企業型DCやDBがない会社員 | 2万3000円 |
| 専業主婦(主夫) | 2万3000円 |
※「月5万5000円−他制度の掛金」と「月2万円」のどちらか少ない方
iDeCoの3つの強力な節税メリット
メリット1:拠出時の所得控除
毎月の掛金は全額が所得控除の対象となり、確定申告や年末調整で申告すると所得税と住民税が減税になります。
税率は人によって15%から55%と差があります。
- 所得税率20%+住民税率10%=合計20%
- 年間の節税額:24万円×20%=約4万8000円
メリット2:運用時の利益が非課税
積み立てたお金を投資信託で運用した際の利益に税金がかかりません。
通常、投資信託の運用益には約20%の税金がかかるため、これは大きなメリットです。
ただし、運用益が非課税なのはNISAも同じなので、iDeCoのみの利点ではありません。
楽天やSBI証券のiDeCoであればオルカンやS&P500でも運用できるため、大きなリターンを得られる可能性が大きいほど非課税のメリットも大きくなります。
メリット3:受取時の税制優遇
60歳を超えて受け取る時も税制の優遇があります。
- 一時金:退職所得控除が適用され、税負担が軽減
- 年金形式:公的年金等控除が適用され、税負担が軽減
iDeCoのデメリット
一方で、iDeCoには以下のようなデメリットもあります。
デメリット1:60歳まで引き出せない
iDeCoとNISAで比較した場合、原則60歳まで引き出せないことがiDeCo最大のデメリットです。
途中で急にお金が必要になっても、原則として60歳まで引き出すことができません。
デメリット2:毎月の手数料がかかる
iDeCoはNISAよりも色々な手数料がかかる仕組みになっており、コスト面だけを見ればiDeCoが大きく劣っています。
- 国民年金基金連合会への手数料:月105円
- 信託銀行への手数料:月66円〜
- 年間約2000円の負担
30年間で約6万円の手数料がかかる計算です。
デメリット3:受取時に課税される可能性
これが後述する「出口戦略の罠」につながります。
運用益だけでなく元本も含めて課税対象となるため、退職金が多い人は注意が必要です。
新NISAとiDeCoどっちを優先すべき?徹底比較
40代50代の方が最も悩むのが「新NISAとiDeCoのどちらを優先すべきか」という問題です。
私の個人的な意見も含みますが、新NISAとiDeCoを併用した方がいいけど、投資金額は新NISAへ多めに投資した方が資産形成しやすいと思います。
なぜ上記のような意見なのか両者を詳しく比較しながら3つの理由を解説します。
| 項目 | 新NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 360万円 | 14.4万円〜81.6万円(働き方による) |
| 生涯投資枠 | 1800万円 | 上限なし |
| 引き出し | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
| 運用益の課税 | 非課税 | 非課税 |
| 拠出時の節税 | なし | あり(所得控除) |
| 受取時の課税 | なし | あり(退職所得 or 雑所得) |
| 口座維持費 | 無料 | 年間約2000円 |
40代50代が投資金額では新NISAを優先すべき3つの理由
理由1:いつでも引き出せる柔軟性
40代50代は子供の教育費、住宅ローン、親の介護など、まとまったお金が必要になる可能性が高い年代です。
もし新NISAとiDeCoへ投資していた場合、新NISAであれば急な資金が必要になっても引き出すことが可能です。
しかし、iDeCoは絶対に引き出すことができないので、iDeCoへの投資額を大きくしていると資産はあっても自由に使えるお金が無いことで生活が苦しくなる可能性があります。

iDeCoの拠出を止める方法はあるけど、止めても資金は60歳以降まで引き出せないので取り出すことは不可能です。
理由2:新NISAと違って改悪余地がまだある
新NISAは運用益も受取時も完全非課税ですが、iDeCoは現時点の制度でも受取時に課税される可能性があります。
しかも、課税の改悪については2026年以降に予定されていますが、実はまだまだ改悪の余地が残っていることも問題です。
正直、退職金関係の税制優遇はあまりにも強力な制度が多く、不公正感と時代の変化、そして財源不足を理由にまだまだ改悪される可能性があります。
改悪の詳しい話は後ほどしますが、特に退職金が多い会社員の方はiDeCoで資産形成しても受け取る際に高額な税金がかかるリスクがあります。
そのため、どちらかと言えば改悪余地が小さい新NISAを優先していた方が未来の制度でお得になりやすいかもしれません。
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理由3:新NISAは投資先の選択肢が豊富
新NISAでは投資信託だけでなく、日本やアメリカの個別株、ETFなど幅広い投資先から商品を選ぶことが可能です。
一方、iDeCoは予め決められた投資信託から選ぶことになり、信託報酬が高い割にリターンが低いゴミアクティブファンドも珍しくありません。
まだ楽天やSBI証券のラインナップはマシですが、それでも実用的なファンドは選定された内の約3割くらいです。

楽天やSBI証券以外だと「現金で持ってるよりはマシかな~」くらいのファンドしか選べないことも珍しくないので、資金を大きく使うのであれば新NISAですね。
なぜ新NISA優先なのにiDeCoも併用するべきなの?
ここまで「新NISAを優先すべき」と解説してきましたが、これは「新NISAとiDeCoを併用するくらいなら新NISAへ集中した方が良い」という意味ではありません。
特に退職金がない人や新NISAの生涯投資枠1800万円を定年までに埋められる見込みがある人は、今すぐに少額でもiDeCoへ加入しておいた方がお得になりやすいです。
理由:iDeCoは加入期間で非課税枠が増える
実は、iDeCoには新NISAにはない大きな特徴があります。
それが「加入期間に応じて退職所得控除が増える(≒非課税枠が増える)」という仕組みです。
退職所得控除の計算式は下表のようになっており、iDeCoに15年加入すれば15年×40万円=600万円の非課税枠が実質手に入ります。
| 加入年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 加入年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (加入年数 – 20年) |
しかも、この非課税枠は実際に600万円積み立てていなくても使えるのです。
例えば、45歳から月5000円だけiDeCoへ加入すると下記のように90万円の拠出に対して600万円の非課税枠が手に入ります。
- 15年間の拠出総額:90万円
- 15年間の節税効果(税率20%):約18万円
- 15年後の資産(年利5%):約133万円
- 退職所得控除:40万円×15年=600万円
上記の場合、実際に積み立てたのは90万円ですが、将来的には600万円までの非課税枠を確保できるわけです。
つまり、新NISAの枠を埋めた後に余裕資金ができたら、その時にiDeCoへ毎月最大限のお金を追加拠出すれば、非課税制度を最大限に有効活用できる訳です。
一方で、新NISAを埋めてからiDeCoを始めた場合だとiDeCoの加入期間が短くなるので、一生涯で利用できる非課税枠が小さくなります。
例えば45歳から10年かけて新NISAの非課税枠を埋め、その後に55歳から60歳までiDeCoで積立すると5年分しか退職所得控除が増えないので、200万円分の非課税枠しか得られません。
iDeCoへの掛け金は簡単に増やせますが、非課税を増やしたいと思っても「時を戻す」か「法律を変える」かの2択しかない訳です。

つまり、投資の自由度を考えると新NISAを優先すべきではあります。
しかし、自身の一生で使える非課税枠を最大限にしたい場合は少額でもいいからiDeCoへ拠出しておいた方がお得です。
特に新NISA1800万円の枠を埋められた後にiDeCoの非課税枠が効いてきます。
今すぐ新NISAとiDeCoを併用すべき人の特徴
なので、今すぐに新NISAとiDeCoを併用するべき人の特徴は下記の通りです。
- 定年までに新NISAの枠を埋められる見込みがある人
- 会社の退職金が少ない or ない人
- 課税所得が高い人(特に年収700万円以上)
もちろん上記全てを満たす必要はないのですが、2つ以上満たしている場合はiDeCoのメリットを受けられる可能性があります。
特に年間120万円以上投資できる人は、投資金額自体は新NISAを優先しつつも、iDeCoにも少額加入しておくと新NISAを満額埋めた後の非課税枠として活用できます。
また、退職金制度がない会社に勤めている人または退職金が少ない人は、iDeCoの退職所得控除をフル活用できるため、iDeCoを非課税で活用しやすいです。
最後に所得税率が高い人ほど、iDeCoの所得控除によるメリットが大きくなります。
年収700万円以上であれば所得税率20%+住民税率10%=合計30%の節税効果も期待できるため、拠出するでも単年であれば利回り30%になります。
2026年以降のiDeCo改正で知っておくべき3つの変更点
ここからは、2026年以降に予定されているiDeCoの改正内容と、40代50代が特に注意すべきポイントを解説していきます。
改正1:2026年4月「企業型DCのマッチング拠出上限撤廃」
2026年4月から、企業型DCのマッチング拠出の上限が撤廃されます。
これまでのルール
企業型DCがある会社では「マッチング拠出(従業員の上乗せ拠出)」と「iDeCoへの加入」のどちらかを選択できました。
しかし、マッチング拠出には「従業員の掛金は会社の拠出額を超えてはいけない」という制限がありました。
そのため、会社の拠出額が少ない場合は、iDeCoを選択する人も多かったのです。
2026年4月からの新ルール
企業型DCの「従業員の掛金は会社の拠出額を超えてはいけない」という制限がが撤廃される予定です。
これによって会社の拠出額に関わらず、企業型DCの上限額まで自由に拠出できるようになります。
これが起きるとマッチング拠出にはiDeCoにない下記の大きなメリットがあるため、iDeCoをわざわざ選ぶ必要がありません。
| 項目 | マッチング拠出 | iDeCo |
|---|---|---|
| 口座維持費 | 無料(会社負担) | 年間約2000円(本人負担) |
| 節税効果 | 所得控除あり | 所得控除あり |
| 運用益非課税 | 非課税 | 非課税 |
つまり、同じ節税効果が得られるのに、マッチング拠出なら維持費がかからないのです。
企業型DCがある会社で勤務している40代50代の方は2026年4月以降、iDeCoを停止してマッチング拠出に切り替えた方が有利になりやすいです。
ただし、企業型DCだと魅力的な投資商品がiDeCoよりも少ない場合もあるので、投資商品によっては企業型DCよりもiDeCoを優先しても良いと思います。
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改正2:2027年1月「掛金上限の大幅引き上げ」
2027年1月からは、iDeCoの掛金上限が大幅に引き上げられる予定です。
| 働き方 | 現在(2025年) | 2027年1月以降 |
|---|---|---|
| 自営業・フリーランス | 月6万8000円 | 月7万5000円 |
| 企業型DCやDBがある会社員・公務員 | 月2万円(※) | 月6万2000円−他制度の掛金 |
| 企業型DCやDBがない会社員 | 月2万3000円 | 月6万2000円 |
| 専業主婦(主夫) | 月2万3000円 | 変更なし |
定年までの期間が10〜20年しかない40代50代にとって、拠出額が増えることは大きなチャンスです。
- 拠出総額:1116万円
- 15年後の資産:約1600万円
- 節税効果(税率20%の場合):約223万円
- 15年間での退職所得控除:600万円
しかし、ここで注意すべきなのが次の「出口戦略の罠」です。
改正3:退職金の5年ルールが10年ルールへ変更
もしiDeCoと会社の退職金を同時に受け取ると、控除枠を食い合って税金が爆増します。
しかも、2026年からは実質的な増税でさらに厳しくなります。
まず、退職金やiDeCoを一時金で受け取る際には「退職所得控除」という非課税枠が使えます。
これは長年働いた人への優遇措置で、かなり大きな節税効果があります。(計算式は下記)
| 勤続年数 | 退職所得控除額の計算式 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数 ※計算結果が80万円に満たない場合は80万円 |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年) |
具体的に非課税で受け取れる限度額を見ていくと下記のようになります。
- 勤続10年の場合:40万円 × 10年 = 400万円(この金額まで非課税)
- 勤続25年の場合:800万円 + 70万円 × 5年 = 1,150万円(この金額まで非課税)
- 勤続30年の場合:800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円(この金額まで非課税)
- 勤続40年の場合:800万円 + 70万円 × 20年 = 2,200万円(この金額まで非課税)
つまり、30年勤めた会社から1,500万円の退職金をもらっても、この控除のおかげで税金はゼロです。これは非常に大きなメリットですよね。
しかし、ここからが重要です。iDeCoの一時金受取も、この「退職所得控除」を使います。
つまり、会社の退職金とiDeCoは同じ控除枠を奪い合う関係にあります。
例えば最悪のケースとして「同じタイミングで受け取った場合」を考えてみましょう。
勤続30年の会社員が、60歳で以下を同時に受け取ったとします。
- 会社の退職金:2,000万円
- iDeCo:1,000万円
- 合計:3,000万円
退職所得控除額は800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円なので…
- 控除で守られる部分:1,500万円(非課税)
- 課税される部分:3,000万円 – 1,500万円 = 1,500万円
課税される部分の1,500万円に対して税金がかかります。
退職所得は1/2にしてから課税されるため、実際の課税対象は750万円ですが、それでも数十万円〜百万円以上の税金が発生します。
では、なぜ会社の退職金とiDeCoの受け取りを5年や10年、19年空けるとお得になるのかと言うと、退職所得控除には「退職金の二重取り」を防ぐための仕組みがあるからです。
退職所得控除は本来「長年の勤労に対する報奨」として優遇される制度です。
しかし、複数回受け取る際に勤続年数が重複する期間について二重に控除を認めると、制度の趣旨に反することになります。
そこで政府は「一定期間空ければ、それぞれで控除を使っていいですよ」というルールを設けました。
通常の退職金には「5年ルール(2026年から10年ルール)」、確定拠出年金(iDeCoや企業型DC)には「19年ルール」が適用され、間隔が短いと控除の重複が認められず、その分課税対象が増えてしまいます。
なので、控除をフルに活かしたい場合は下記の対処が必要です。
- iDeCo→退職金の順:5年以上(2026年からは10年以上)空ければ、それぞれで満額控除OK
- 退職金→iDeCoの順:19年以上空ければ、それぞれで満額控除OK
しかし、実は上記の対策には現実的な問題点もあります。
- iDeCoを60歳で受け取ると10年ルールによって、会社の退職金を70歳以降に受け取る必要がある(多くの企業では60代前半での定年が一般的)
- 会社の退職金を60歳で受け取ると19年ルールによって、iDeCoを79歳で受け取る必要がある。しかし、現在の制度ではiDeCoの受取期限は75歳までなので不可能。
他の対策方法としては「iDeCoを一時金ではなく年金形式で受け取る」があります。これなら10年ルールの調整対象外となります。
公的年金等控除が適用されるため、退職所得控除とは別の税制優遇を受けられます。
- 会社の退職金:60歳で一時金受取(退職所得控除を適用)
- iDeCo:年金形式で受取(公的年金等控除を適用)
この方法なら、それぞれ別の控除枠を使うため、10年ルールや19年ルールの影響を受けません。
年金形式で受け取る場合、iDeCoは雑所得として扱われ、下表の公的年金等控除を受けられます。
| 年齢 | 年金収入金額 | 公的年金等控除額 |
|---|---|---|
| 65歳未満 | 130万円未満 | 60万円 |
| 130万円以上410万円未満 | 年金収入×25%+27.5万円 | |
| 65歳以上 | 330万円未満 | 110万円 |
| 330万円以上410万円未満 | 年金収入×25%+27.5万円 |
なので、一般的な国民年金・厚生年金とiDeCoの年金受け取りを合算した収入が上表の控除額以内であれば非課税になります。
ただし、この方法にも実は下記の問題点があります。
- 健康保険料が増える可能性あり
- 医療費負担が現役世代並みになる可能性も
- iDeCoの手数料がかかり続ける
なので、iDeCoの場合は会社の退職金がある人は課税から逃れることはほぼ不可能だと考えておいた方が良いです。
一方で退職金制度が無い人であれば老後の資産形成を強力にサポートしてくれるので、ほぼ非課税でiDeCoを活用できるかもしれません。


