新NISAでFIREできたら、日本のバグ制度があなたのFIRE生活をさらに有利にしてくれます!
というのも、日本の制度はバグってるので、例えば必死に働いて年収400万円の人は普段から多くの保険料を収めているのに、実際に医療を受ける際も高額な医療費を請求されます。
しかし、投資収入で400万円の収入を得ているFIRE民はほとんど保険料を収めなくても良いのに、実際に医療を受ける際も負担が非常に小さいです。
実は日本にはこんなバグ制度が医療だけでなく、教育費や補助金、住居費など様々な場面で存在しており、会社員で年収400万円よりもFIREして投資収入400万円の方が実際の生活コストで年間150万円以上もお得になります。
今回はそんなFIREしたら有利すぎる日本のバグ制度(2026年版)をまとめて解説していくので、後からでも確認できるように高評価や共有を今のうちにしておいてください。

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同じ年収400万でもFIRE民と会社員で「実質手取り」が150万以上違う
いきなりですが、この記事で最も伝えたいことを先に言います。
NISAの投資収入で年間400万円を得ているFIRE民と、額面年収400万円の会社員では、税金や社会保険料だけでなく医療費・教育費まで含めた「実質的な生活コスト」に年間150万円以上の差がつきます。
「いやいや、同じ400万でそんなに差がつくわけないだろ」と思いますよね。
でも実際に内訳を見ると、こうなります。
| 項目 | 会社員(年収400万) | FIRE民(投資収入400万) |
|---|---|---|
| 所得税+住民税 | 約20万円 | 0〜6万円(源泉徴収で完了) |
| 社会保険料(健康保険+年金) | 約60万円 | 約4〜8万円 |
| 医療費の月額上限 | 約8〜25万円 | 約3.5万円 |
| 保育料(0〜2歳) | 月2〜5万円 | 0円 |
| 大学の学費 | 自己負担 | 全額免除+給付型奨学金の可能性 |
税金と社会保険料だけで年間70万円以上の差が出て、さらに医療費・教育費まで含めると差は150万を超えます。
子供がいて大学進学を控えている家庭なら、4年間で数百万円単位の差に膨らむこともあります。
なぜこんなことが起きるのか?
その”元凶”は実はたった1つの仕組みです。
そしてこの仕組みを理解すれば、FIRE後の生活がいかに日本の制度で守られているかが分かります。

この差が生まれるバグの”元凶”と、そこから連鎖的に発生する恩恵を全部解説していきます。
記事の後半では「合計でいくら得するか」も計算するので、ぜひ最後までチェックしてください。
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全てのバグの元凶「投資収入は合計所得金額に入らない」
日本の税金や社会保険、医療費の上限、教育支援、給付金の判定など、ほぼ全ての社会制度は「合計所得金額」という1つの数字を基準に動いています。
この数字が小さければ税金は安く、保険料は軽減され、医療費の上限は下がり、教育支援は手厚くなります。
ここで超重要なのが、NISAの投資収入と、特定口座(源泉徴収あり)で確定申告をしない投資収入は、この「合計所得金額」に含まれないという点です。
- 含まれない:NISA口座の利益(配当・売却益とも完全非課税)
- 含まれない:特定口座(源泉徴収あり)で確定申告しなかった利益
- 含まれる:確定申告した投資収入(総合課税・申告分離課税とも)
- 含まれる:給与所得、事業所得、不動産所得など
つまり、NISAで年間200万円の利益を得て、さらに特定口座(申告不要)で年間200万円の利益を得ているFIRE民がいたとしても、その人の「合計所得金額」はゼロ円です。
合計所得がゼロということは、日本の社会制度上は「収入がほとんどない人」と同じ扱いを受けるのです。
これが全てのバグの出発点です。
ここから先で解説する住民税非課税、社会保険料の軽減、医療費・介護費の上限ダウン、教育費の無償化、公営住宅、給付金…全部がこの「合計所得金額ゼロ」から連鎖的に発生しています。
2026年版で知っておくべき注意点
ただし、この仕組みを活用するには知っておくべき注意点があります。
まず、確定申告をしてしまうと投資収入が合計所得金額に含まれるという点です。
「損益通算で税金を取り戻したい」「配当控除を使いたい」と思って確定申告すると、その投資収入は合計所得にカウントされ、非課税世帯の恩恵を全て失う可能性があります。
さらに、令和6年度(令和5年分の確定申告)から、所得税と住民税で同じ課税方式を選ばなければならなくなりました。
以前は「所得税では確定申告して配当控除をもらい、住民税では申告不要を選んで非課税を維持する」というおいしいとこ取りが可能でしたが、今はそれができません。
つまり、2026年の最適戦略は「NISAの1800万円枠に可能な限り集中する+特定口座は確定申告しない」です。
NISAに投資を集中させるほど、FIRE後のバグ制度の恩恵は大きくなります。

NISAの1800万枠をフル活用している人ほど、FIRE後の恩恵が大きいってことですね。
では、「合計所得ゼロ」がどう連鎖的に効いていくか、ここから1つずつ見ていきましょう。
まず最初に起きるのが「住民税が非課税になる」ことです。
バグ1:住民税非課税世帯になれる
合計所得金額がゼロになると、まず起きるのが「住民税が非課税になる」ことです。
住民税には「所得割」(所得に応じた税額)と「均等割」(年額約5,000円の定額)がありますが、合計所得金額が一定以下であれば両方とも非課税になります。
東京23区などの1級地では、単身者の場合、合計所得金額が45万円以下で住民税が非課税になります。
NISAと特定口座(申告不要)だけで生活しているFIRE民は合計所得がゼロなので、余裕でクリアです。
そして、この「住民税非課税世帯」というステータスが、ここから先のドミノ倒しのトリガーになります。
国民健康保険料の軽減、高額療養費の上限ダウン、教育費の無償化、給付金の対象…ほぼ全ての優遇制度が「住民税非課税世帯であること」を条件にしているのです。

ここから先は、NISAでFIREして住民税非課税世帯になった人のことを「FIRE民」と呼んでいきます。
毎回「住民税非課税世帯」と言うと長いですし、この記事ではFIRE前提の話をしていますからね。
ちょっと働いても非課税のままでいられる
「完全に働かないのは不安だから、少しだけ働きたい」という方にも朗報です。
2025年の税制改正で給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げられたため、給与収入が年間110万円以下であれば、合計所得金額は45万円以下に収まります。
つまり、NISAの投資収入で数百万円を得つつ、タイミーやアルバイトで年110万円まで稼いでも、住民税は非課税のままでいられるということです。
フリーランスならさらに非課税枠が広がる
フリーランスとして事業所得を得る場合は、さらに有利になります。
フリーランスの「所得」は収入から必要経費を差し引いた金額で計算されるため、経費が多いほど課税される所得は小さくなります。
これに加えて、青色申告で複式簿記・電子申告を行えば最大65万円の特別控除が使えます。
たとえば年間120万円の事業収入があっても、経費10万円+青色申告控除65万円を差し引けば、所得は45万円。
合計所得45万円以下なので、住民税非課税ラインをクリアできます。
つまり、NISAの投資収入に加えて年間120万円の事業収入を得ても、住民税は非課税のままでいられるのです。

年間120万円の非課税収入は、4%ルールで言えば資産3000万円相当です。
私のようにブログで副収入を得ている人にはかなり相性がいいですね。
自治体によって非課税ラインが違うので注意
1つ注意点があります。
住民税非課税のラインは自治体によって異なります。
東京23区などの1級地では合計所得45万円以下ですが、2級地では42万円以下、3級地では38万円以下になるケースもあります。
フリーランスやアルバイトで少し稼ぐ予定の方は、必ずご自身の住んでいる自治体の基準を確認してください。
FIRE民になると、ここからドミノ倒しのように恩恵が連鎖していきます。
まず真っ先に効いてくるのが社会保険料です。
バグ2:社会保険料が激安になる(国保・年金)
FIREをすると、会社が半分負担してくれていた健康保険料や厚生年金保険料を自分で支払う必要があります。
「社会保険料が高くなるからFIREは損」と言われることもありますが、実際にはFIRE民になると驚くほど安くなります。
国民健康保険料 → 最大7割軽減
国民健康保険料は前年の所得に基づいて計算されます。
そして、世帯の所得が一定以下の場合、保険料の「均等割」と「平等割」の部分が7割・5割・2割の3段階で軽減されます。
合計所得がゼロのFIRE民は、最大の7割軽減が適用されるケースが多くなります。
自治体によって保険料率は異なりますが、年間4〜6万円台まで下がることも珍しくありません。
一方、会社員で年収400万円の場合は、健康保険料(労使折半の本人負担分)だけで年間約20万円です。
しかも会社員は厚生年金保険料も別に約37万円かかるので、合計すると年間約57万円の社会保険料を払っています。
| 社会保険料 | 会社員(年収400万) | FIRE民 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 約20万円/年 | 約4〜6万円/年(7割軽減) |
| 年金保険料 | 約37万円/年(厚生年金) | 0円(全額免除) |
| 合計 | 約57万円/年 | 約4〜6万円/年 |

保険料の具体的な金額は自治体ごとに違うので、正確な金額を知りたい方はお住まいの自治体のサイトで確認してください。
ここでは「7割軽減が適用される」という制度の仕組み自体を押さえてもらえればOKです。
国民年金保険料 → 全額免除で年間約21.5万円が0円に
2026年度の国民年金保険料は月額17,920円、年間に換算すると約21.5万円です。
会社を辞めると、この保険料を自分で支払う義務が生じます。
しかし、前年の所得が一定以下であれば保険料の全額免除を申請できます。
単身者で所得がゼロの場合は、全額免除の条件を余裕で満たします。
全額免除の期間は、将来年金を受け取るための「受給資格期間」にカウントされるので、「免除されたから年金がもらえなくなる」ということはありません。
ただし、ここは正直に伝えておきたいのですが、免除期間中にもらえる年金額は満額の2分の1になります。
- 2026年度の老齢基礎年金(満額):月額70,608円
- 全額免除期間の年金額:満額の2分の1(国庫負担分のみ)
- 仮に40年間全額免除の場合:月額約35,304円
- 10年以内であれば追納して満額に近づけることも可能
「0円で年金がもらえる」のは事実ですが、「0円で満額もらえる」わけではありません。
半額になることを承知の上で免除を選ぶか、余裕があるなら保険料を払って満額を確保するか、ここは各自の判断になります。
とはいえ、年間21.5万円の年金保険料負担がゼロになり、それでも半額の年金はもらえるという仕組みと考えれば、金融商品としてこれ以上のモノはありません。
一方で、働いて厚生年金をしっかり天引きされる人たちは確かに将来貰える年金の額面そのものはFIRE民より大きくなるものの、自分が支払った金額以下になることが予測されています。(つまり年金払い損世代)

国保7割軽減+年金全額免除だけで、会社員と比べて年間25〜50万円の差になります。
でもまだまだ終わりません。次は「病気になったら?介護が必要になったら?」です。
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バグ3:医療費・介護費の自己負担が激安になる
FIREに関するニュースやSNSのコメント欄でよく見かけるのが「FIREしてたら病気になった瞬間に終わり」という意見です。
しかし、実際には日本の医療制度はFIRE民にとって非常に手厚い仕組みになっています。
高額療養費制度で医療費の上限が激安に
高額療養費制度とは、ひと月にかかる医療費の自己負担に上限を設ける制度です。
この上限額は所得区分によって決まるのですが、FIRE民は最も低い上限が適用されます。
具体的には、70歳未満のFIRE民の場合、医療費がいくらかかっても月の自己負担は35,400円が上限です。
一方、月収28万〜50万円の会社員だと上限は約8〜9万円、月収50万円以上なら約17万円以上の自己負担が発生します。
(しかも、会社員はFIRE民よりも圧倒的に多くの保険料を毎月払っているのに、いざ医療を受ける時の自己負担まで高いのです)
| 所得区分(70歳未満) | 月の自己負担上限 |
|---|---|
| FIRE民(住民税非課税) | 35,400円 |
| 会社員(月収28〜50万) | 約80,100円 + α |
| 会社員(月収50〜83万) | 約167,400円 + α |
仮に大きな手術をして医療費が100万円かかった場合でも、FIRE民の自己負担は35,400円で済むのに対して、月収42万円の会社員は約87,000円を負担する計算です。
同じ医療サービスを受けているにも関わらず、自己負担に倍以上の差がつくのです。
介護が必要になっても自己負担が低い
医療費だけでなく、介護費用にも同様の仕組みがあります。
「高額介護サービス費」という制度で、介護サービスの月額自己負担にも所得に応じた上限が設けられています。
FIRE民の場合、月の自己負担上限は24,600円です。
一般世帯(課税世帯)の上限は44,400円なので、毎月約2万円の差がつきます。
介護は何年も続くことが多いので、長期的に見ると大きな差になります。
| 制度 | FIRE民(月額上限) | 一般世帯(月額上限) | 月額の差 |
|---|---|---|---|
| 高額療養費(70歳未満) | 35,400円 | 80,100円〜 | 約4.5万円〜 |
| 高額介護サービス費 | 24,600円 | 44,400円 | 約2万円 |
さらに、FIRE民が特別養護老人ホームなどの介護施設に入所する場合は、食費や居住費の負担を軽減する「補足給付」という制度もあります。
ただし、この補足給付については預貯金の要件があり、単身で1,000万円を超える預貯金があると対象外になる場合があります。
資産を多く持つFIRE民は補足給付だけは使えない可能性がある点は正直にお伝えしておきます。

高額介護サービス費や介護保険料の軽減は預貯金要件がないので、FIRE民でも問題なく使えます。
預貯金要件があるのは「補足給付(施設の食費・居住費の軽減)」だけです。
70歳以上はさらに優遇される
「今はいいけど、老後の医療費で詰むんじゃないか?」と心配する声もありますが、実は70歳以上になると高額療養費の上限はさらに下がります。
| 所得区分(70歳以上) | 月の自己負担上限額 |
|---|---|
| 現役並み所得者(課税所得145万以上) | 80,100円 + α |
| 一般(課税所得145万未満) | 57,600円 |
| 住民税非課税(区分II) | 24,600円 |
| 住民税非課税(区分I:所得ゼロ) | 15,000円 |
投資収入のみのFIRE民で合計所得がゼロの場合、70歳以降は区分Iに該当する可能性が高く、月の上限はわずか15,000円です。
つまり、どんなに医療費がかかっても月1.5万円以上は払わなくていいのです。
日本の社会保障はストック(資産)ではなくフロー(所得)で判定するので、FIRE民は「守られる側」にいます。
ぜひFIREするとこんなにも有利になることを知らなかった方は、SNSなどで共有してさらに拡散してくれると嬉しいです。
ここまでは自分自身の話ですが、子供がいるならさらに驚くべき差があります。
バグ4:教育費がほぼ無料になる
FIRE民の恩恵は、自分自身だけでなく子供の教育費にも及びます。
保育園から大学まで、各段階で支援制度が用意されており、FIRE民の家庭はほぼ全てで最大の恩恵を受けられます。
保育料(0〜2歳)が無料になる
3歳から5歳の保育料は、2019年10月から全世帯で無償化されています。
一方、0歳から2歳の保育料が無償になるのはFIRE民(住民税非課税世帯)のみです。
通常、0〜2歳の保育料は月2〜5万円程度(所得や自治体によって異なります)。
年間で24〜60万円の差になるので、小さい子供がいるFIRE民にとっては非常に大きな恩恵です。
小中学校の就学援助が受けられる
FIRE民であれば、小中学校の「就学援助」を申請できます。
就学援助では給食費、学用品費、修学旅行費、通学費など、学校生活にかかる費用が援助されます。
この制度の判定にも資産のチェックはありません。
申請制なので自分で手続きする必要がありますが、忘れずに申請すれば年間数万円〜10万円以上の支援を受けられます。
高校の授業料が実質無料になる
「高等学校等就学支援金」という制度があり、FIRE民は最も手厚い支援を受けられます。
公立高校は授業料が実質無料になり、私立高校でも年間最大約51.4万円の支給を受けられます。
一方、年収400万円の会社員世帯でも就学支援金はもらえますが、私立高校の場合は年間約11.9万円止まりです。
FIRE民との差額は年間約40万円にもなります。
大学の授業料が全額免除+給付型奨学金がもらえる
ここが40〜50代の方に最も知ってほしいポイントです。
「高等教育の修学支援新制度」により、FIRE民の子供が大学に進学する場合、国公立大学は授業料がほぼ全額免除され、私立大学でも年間最大約70万円が減免されます。
さらに、返済不要の給付型奨学金が最大で月75,800円(私立大学・自宅外通学の場合)支給されます。
4年間で合計すると、授業料免除+給付型奨学金で数百万円の支援を受けられる計算になります。
加えて、2025年度からは多子世帯(扶養する子が3人以上)を対象に、所得制限なしで大学等の授業料を無償化する制度も始まっています。
子供がこれから大学に進学する世代の方は、この制度を知っているだけで人生設計が大きく変わる可能性があります。

資産が1億あっても合計所得がゼロなら大学の授業料が免除される可能性がある。
「おかしい」と感じる人もいると思いますが、制度上はそうなっています。
これを知っているかどうかで、FIREの目標資産額の計算が変わってきますよね。
教育費だけでなく、住む場所や政府からの臨時収入でもFIRE民は優遇されています。
ここまでの内容だけでも「知らなかった」という方は多いと思うので、周りの人にも教えてあげてください。
| 教育段階 | FIRE民の支援 | 会社員(年収400万)の支援 | 年間の差額 |
|---|---|---|---|
| 保育料(0〜2歳) | 無料 | 月2〜5万円 | 年24〜60万円 |
| 小中学校(就学援助) | 給食費・学用品費等が援助 | 対象外の場合あり | 年数万〜10万円 |
| 高校(私立) | 最大年51.4万円支給 | 年11.9万円支給 | 年約40万円 |
| 大学(国公立) | 授業料ほぼ全額免除+給付型奨学金 | 自己負担 | 4年で数百万円 |
バグ5:公営住宅に格安で住める&給付金がもらえる
住居費は人生の三大支出の1つです。
FIRE後に住居費をどうするかは非常に重要な問題ですが、ここでもFIRE民は有利になります。
資産1億でも公営住宅に入れる可能性がある
公営住宅(都営住宅・県営住宅など)は、住宅に困窮している低所得者向けに提供される公的な賃貸住宅です。
入居資格の判定基準は主に労働による所得であり、東京都営住宅の場合、資産額のチェックは行われません。
つまり、労働収入がゼロに近いFIRE民は、たとえ1億円以上の金融資産を持っていても、所得基準を満たせば入居できる可能性があるのです。
さらに家賃は所得に応じて決まるため、所得が低ければ家賃も安くなります。
東京23区内の2LDKで比較すると、普通の賃貸であれば安いエリアでも月10万円以上が相場です。
一方、都営住宅なら2LDKで月3万円前後ということもあり、年間で80万円以上の差が生まれます。
東京都営住宅では資産要件がありませんが、自治体によっては資産要件を設けている場合もあります。
お住まいの地域の公営住宅の入居条件は、必ず事前に確認してください。
FIRE民には現金給付もある
ここ数年、政府は住民税非課税世帯に対して物価高騰対策や経済支援を理由に、定期的に現金給付を行っています。
この給付の判定基準にも資産額は含まれないので、FIRE民は当然のように対象になります。
つまり、資産が数億円あっても労働所得が少なければ給付金がもらえるのです。

資産30億円のマサニーさんも無職なので給付金が支給されています。
資産を作るために必死に働いてる人には支給されず、無職の資産家に支給される。制度のバグとしか言いようがないですが、これが日本の現実です。
「これはコロナ禍だけの一時的なものでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、こうした給付はコロナ禍以前から消費税増税時やリーマンショック後の経済対策など、さまざまな名目で継続的に実施されてきた傾向があります。
名称や理由は変われど、何かしらの経済変動が起きるたびにFIRE民が対象となる給付が行われる構造は今後も続く可能性が高いです。
ここまで有利な制度ばかり紹介してきましたが、FIREしてもお得にならない制度や、以前より不利になった点もあります。
フェアに伝えるために、次はその話をします。
実はFIREしてもお得にならない制度・以前より不利になった点
FIRE後の生活では多くの社会保障で恩恵を受けられますが、中には例外もあります。
有利な話ばかりして不利な点を隠すのはフェアではないので、ここは正直にお伝えします。
NHK受信料は免除されない
ここまでの流れで「FIRE民になれば何でも免除されるのでは?」と思いがちですが、NHK受信料は免除されません。
NHK受信料の全額免除を受けるには「身体・知的・精神障害者手帳のいずれかを持つ方がいる世帯で、かつ世帯全員が住民税非課税である」という条件を満たす必要があります。
住民税非課税というだけでは条件が足りず、障害者手帳の保持が必須です。

FIRE民のバグ制度もだいぶおかしかったですが、NHKの免除基準はさすがに厳しすぎませんかね…。
課税方式の統一で「おいしいとこ取り」ができなくなった
実は、以前のFIRE民はもっと有利でした。
令和5年分の確定申告までは、所得税と住民税で別の課税方式を選ぶことができました。
具体的には「所得税では総合課税を選んで配当控除で税金を取り戻しつつ、住民税では申告不要を選んで非課税世帯を維持する」という、いわば「おいしいとこ取り」が可能だったのです。
しかし、令和6年度(令和5年分確定申告)から所得税と住民税で同じ課税方式を選ぶことが義務化されました。
これにより、配当控除を取るために確定申告すると、住民税にもその所得が反映され、非課税世帯のステータスを失ってしまいます。
対策としては、先ほど説明したとおり「NISAに投資を集中し、特定口座は確定申告しない」ことです。
おいしいとこ取りはできなくなりましたが、NISA+特定口座の申告不要という正攻法であれば、依然としてこの記事で紹介した全てのバグ制度は有効です。
介護施設の補足給付には預貯金要件がある
先ほどの介護費のセクションでも触れましたが、介護施設の食費・居住費を軽減する「補足給付(特定入所者介護サービス費)」には預貯金の要件があります。
単身で1,000万円を超える預貯金がある場合、この制度の対象外になります。
FIRE民は当然ながら資産をたくさん持っているので、この制度だけは使えない可能性が高いです。
ただし、高額介護サービス費(月の上限24,600円)や介護保険料の軽減には預貯金要件がないので、これらは問題なく適用されます。

有利な話ばかりしてデメリットを隠すと、視聴者の方の信頼を失ってしまいます。
デメリットも知った上で戦略を立てるのが大事ですね。
では、全部まとめると結局いくらの差になるのか計算してみましょう。
全バグの合計:FIRE民の「実質生活コスト差」まとめ
ここまで紹介してきたバグ制度を全て合計すると、FIRE民と会社員でどれだけ実質的な生活コストに差がつくのか整理してみましょう。
| 項目 | 会社員(年収400万) | FIRE民(投資収入400万) | 年間の差額 |
|---|---|---|---|
| 所得税+住民税 | 約20万円 | 0〜6万円 | 約14〜20万円 |
| 健康保険料 | 約20万円 | 約4〜6万円 | 約14〜16万円 |
| 年金保険料 | 約37万円(厚生年金) | 0円(全額免除) | 約37万円 |
| 高額療養費の上限差 | 月8〜25万円 | 月3.5万円 | 大病時に年数十万円の差 |
| 保育料(0〜2歳×1人) | 年24〜60万円 | 0円 | 年24〜60万円 |
| 高校(私立)の授業料支援差 | 年11.9万円支給 | 年51.4万円支給 | 年約40万円 |
| 大学の授業料+給付型奨学金 | 自己負担 | 全額免除+給付金 | 4年間で数百万円 |
| 公営住宅(該当する場合) | 賃貸月10万〜 | 都営月3万前後 | 年間80万円以上 |
| 給付金(不定期) | 対象外の場合あり | 非課税世帯で対象 | 年間3〜10万円 |
税金と社会保険料だけでも年間65〜73万円の差が出ます。
これに保育料や教育費、公営住宅の家賃差まで加えると、年間150万〜200万円以上の差になるケースも十分にありえます。
この差を4%ルールで資産に換算すると、年間150万の差は資産3,750万円分、年間200万の差は資産5,000万円分に相当します。
つまり、FIRE後に非課税世帯になって制度を正しく活用することは、3,750万〜5,000万円の追加資産を持っているのと同等の効果があるのです。
FIRE目標額を「いくら貯めるか」だけで考えがちですが、「FIRE後にいくら節約できるか」も含めて計算すると、目標額は思ったより低くなります。
制度を知っているだけで、FIREへのハードルは大きく下がるのです。

FIRE目標額が5000万だと思っていた人が、制度を正しく活用することで実質3000万台でもFIRE可能になるかもしれない。
そのくらいインパクトのある話です。


