もし10年前にオルカンやS&P500へ投資していれば人生が大きく変わったかもしれません。
今回はオルカン・S&P500・NASDAQ100・日経平均・ゴールド・BTCの6つへ10年前に100万や1000万円を投資していたら、今いくらになったのかシミュレーションしていきます。
たったの10年でもとんでもない結果になったので、ぜひ最後までチェックしてください。

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2015年は何があった?
では、10年前にオルカンやS&P500へ投資していた場合の結果を見る前に、まずは10年前である2015年がどのような時代だったのか正確に思い出しましょう。
正確に思い出さないと「10年前って、ドラマでごくせんとかやってた頃でしょ?」みたいに、10年前である2015年とは7年以上も違う時代を想像する人も少なくないからです。

ちなみにドラマのごくせんの第1期が放送されたのは2005年なので、20年前です。
10年前と聞いて全く違う時代を想像されても困りますし、より正確に10年前に感じていた空気感や社会状況、当時の収入や生活などを思い出すことで、今回のシミュレーション結果に対する実感もより現実的なモノになりやすいです。
そこで、記憶の認識違いを調整するために2015年の流行語大賞を見てみましょう。


「2015年って思ってたより昔だな〜」と感じた人もいれば、「2015年って割と最近だな」と感じた人もいると思います。
では、これで今から10年前である2015年当時の雰囲気や社会状況をある程度正確に思い出せたので、もし10年前に投資をしていたら今いくらになったのか見たいですよね?
でも、もう1つだけ皆さんに確認してほしい重要な経済指標があります。
それは「M2マネーサプライ」という指標の2015年〜2025年までの10年推移です。
M2マネーサプライとは
そもそもM2マネーサプライとは、経済に流通している「お金の総量」を示す、最も代表的な指標です。
まず、経済全体に流通しているお金の総量を「マネーサプライ(通貨供給量)」と呼びますが、「お金」といっても、私たちが持っている現金だけではありませんよね?
銀行に預けている預金や、すぐに引き出せる普通預金もあれば、少し手続きが必要な定期預金もあります。
「M2」は、そうしたお金を「流動性(どれだけすぐに使えるか)」で分類した指標のひとつであり、M2マネーサプライは主に以下の3つのお金を合計したものです。
- 現金:私たちが財布に入れている紙幣や硬貨
- 預金:銀行の普通預金や当座預金など、いつでも引き出せる預金
- 準通貨:定期預金や譲渡性預金など、即使えないが、ほぼ現金に近いお金
つまり、M2マネーサプライは「いつでも使えるお金」と「すぐに現金化できるお金」を合わせた市場に流通するお金の量です。
そして、10年前と今のM2マネーサプライを事前に知っておくことは「もし10年前にオルカンやS&P500へ投資していたらどうなってんだろう?」を考える上で非常に重要です。
なぜM2マネーサプライが重要なのか?
というのも、市場に流通するお金の量(M2)が増えると、そのお金の一部がS&P 500やオルカンなどへ流れ込みやすくなるからです。
この資金の流入が、株価や資産価格を押し上げる大きな要因の1つとなります。
例えば、もし2015年にオルカンやS&P500へ投資を始めた方がいたとして、その人の10年間のリターンが驚くほど大きかったのは企業の成長があったからですが、実はM2マネーサプライが世界的に大きく増えたことも重要な理由の1つになるからです。
なぜなら、S&P500やオルカン、そしてゴールドなどの資産は世界で新しく増えたお金の受け皿となりやすい性質があるからです。
つまり、新しく増えたお金の流入が、株価や資産価格を押し上げる大きな要因の一つとなるんですね。
逆に言うと、事前に過去10年間のM2マネーサプライの推移を確認しておけば、「なぜ10年前に投資をしていたら、それだけのリターンがあったのか」より分かりやすくなります。

そこで、世界でも経済に大きな影響を与えているアメリカ、中国、EU、日本のM2マネーサプライの10年推移を先に確認しておきましょう。
M2マネーサプライ10年推移
ということで、アメリカ、中国、EU、日本のマネーサプライが下記の通りです。

この4エリアをまとめた場合、2015年は6645兆円だったM2マネーサプライは10年間で1京3277兆円まで増加しており、約2倍になっています。
これは平均で言うと年間約7.16%ずつ通過の流通量が増加しているということになります。

円換算で表示しているので各年の為替によっても上がったり下がったりはありますが、これがもし投資商品のチャートだったら中々のパフォーマンスですよね
そして、オルカンやS&P500などに採用される企業はこの年間7.16%ずつ増えていく世界のお金を回収する能力が非常に高いので、このM2マネーサプライの推移を上回るパフォーマンスを出しやすいです。
これで事前に必要な情報はすべて揃ったので、まずはオルカンから順番にもし10年前に投資をしていたら今いくらになるのか見ていきましょう。
もし10年前に〇〇へ投資したら今いくら?
今回はすべての指数や金融商品を円建てで計算しており、2015年の7月末時点での価格を100とし、各年の7月末時点での価格推移をグラフで表示しています。(後ほど他の指数と比較しやすくするため)
配当金も含んだ資産額の推移になっているので、もし配当を取り崩していたら今回共有する内容と違う結果になるので注意してください。
1. オルカン(全世界株式)
もしオルカンへ10年前に一括投資してそのまま放置していた場合、下記のようになります。

今回は10年という長い単位での推移を見ることが目的なので、各年の7月末時点での価格のみを抽出しているので、各年間の推移は真っ直ぐな線になっています。

配当金も含んだ資産の推移なので、オルカンのインデックス投資とほぼ同じ条件です。ただし、インデックス投資と違って信託報酬分などが引かれていないので、普通のインデックス投資よりも少しだけいい結果になってます。
ということで、オルカンの場合であれば10年で3.1倍ほどに成長しており、平均的な年間リターンは12.04%ほどになります。
なので、10年前に100万円を一括投資していたら約312万円、1000万円なら約3119万円ほどです。
M2マネーサプライが10年で2倍ほどだったので、オルカンはM2マネーサプライのさらに1.5倍ほど成長していたことになります。

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2. S&P 500
もしS&P500へ10年前に一括投資してそのまま放置していた場合、下記のようになります。

オルカンの時と同じように2015年の7月末を100としているので、後ほどオルカンとの比較も行います。
ということで、S&P500の場合であれば10年で3.6倍ほどに成長しており、平均的な年間リターンは13.88%ほどになります。
なので、10年前に100万円を一括投資していたら約367万円、1000万円なら約3668万円ほどです。
M2マネーサプライが10年で2倍ほどだったので、S&P500はM2マネーサプライのさらに1.8倍ほど成長していたことになります。

アメリカの巨大企業は世界中のユーザーや企業を相手にビジネスをしているので、増えたお金の回収能力が非常に高いですね。
3. NASDAQ100
もしNASDAQ100へ10年前に一括投資してそのまま放置していた場合、下記のようになります。

ということで、 NASDAQ100の場合であれば10年で6.2倍ほどに成長しており、平均的な年間リターンは20.03%ほどになります。
なので、10年前に100万円を一括投資していたら約620万円、1000万円なら約6200万円ほどです。
M2マネーサプライが10年で2倍ほどだったので、NASDAQ100はM2マネーサプライのさらに3倍以上成長していたことになります。

直近10年間で特に伸びた分野がクラウドやSNS、AIだったので、それらの割合がオルカンやS&P500よりも圧倒的に大きい NASDAQ100はとんでもないリターンになってます。
1000万円を10年前に投資していれば今頃セミリタイアやFIREが選択肢として考えられるようになったかもしれませんね。
オルカンvsS&P500vsNASDAQ100
では、ここで一旦オルカン・S&P500・NASDAQ100でパフォーマンスを比較すると、こちらのようになります。


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4. 日経平均株価
もし日経平均株価へ10年前に一括投資してそのまま放置していた場合、下記のようになります。

ということで、 日経平均株価の場合であれば10年で1.9倍ほどに成長しており、平均的な年間リターンは7%ほどになります。
なので、10年前に100万円を一括投資していたら約197万円、1000万円なら約1968万円ほどです。
M2マネーサプライが10年で2倍ほどだったので、日経平均株価の上昇率はM2マネーサプライの上昇率を下回っていることになりますね。
これは世界で流通するお金の量が増えるとオルカンやS&P500などには新たにお金が入りやすい一方で、日経平均株価には中々お金が入ってこなかったことを表しています。

なぜ日経平均にお金が入ってこないかは日本の経済状況や指数自体の問題など色々ありますが、今後の10年間で世界で増え続けるお金を集められるかが鍵になりますね。
このような基準を設けて比較するのも面白いですね。
オルカンvsS&P500vsNASDAQ100vs日経平均
では、ここまで表示した指数のパフォーマンスを比較すると、こちらのようになります。

5. ゴールド(金)
もしゴールド(金)へ10年前に一括投資してそのまま放置していた場合、下記のようになります。

ということで、 ゴールドの場合であれば10年で3.4倍ほどに成長しており、平均的な年間リターンは13.31%ほどになります。
なので、10年前に100万円を一括投資していたら約349万円、1000万円なら約3488万円ほどです。
M2マネーサプライが10年で2倍ほどだったので、ゴールドの上昇率はM2マネーサプライの1.7ほどになります。
安全資産とされながらも、この10年間では戦争と円安の影響を大きく受け、非常に高いリターンを記録しました。
後ほど比較しますが、10年で3.4倍というのはS&P500へ匹敵するほどのリターンになります。
オルカンvsS&P500vsNASDAQ100vs日経平均vsゴールド
では、ここまで表示した指数のパフォーマンスを比較すると、こちらのようになります。


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6. ビットコイン(BTC)
もしビットコイン(BTC)へ10年前に一括投資してそのまま放置していた場合、下記のようになります。

ということで、 ビットコインの場合であれば10年で450倍以上に成長しており、平均的な年間リターンは50.62%ほどになります。
なので、10年前に100万円を一括投資していたら約4億円超え、1000万円なら約45億円越えです。
M2マネーサプライが10年で2倍ほどだったので、BTCの上昇率はM2マネーサプライの200倍以上になります。

2015年の段階でもBTCを保有している日本人はいましたが、まず最初のブームとなったのはお笑い芸人の出川さんがコインチェックのCMに出た2017年の年末からです。
なので、「2015年からBTCへ投資しておけば…」という後悔はあまり現実的ではないですね。
オルカンvsS&P500vsNASDAQ100vs日経平均vsゴールドvsBTC
では、ここまで表示した指数のパフォーマンスを比較すると、こちらのようになります。

今回の注意点
注意点1:M2マネーサプライは10年で2倍になってない
冒頭でM2マネーサプライは直近10年間で約2倍になったと言いましたが、あれは半分正解ですが、半分間違ってます。
というのも、円建てで見れば確かにM2マネーサプライは約2倍になってますが、実はドル建てで見ると約1.4倍ほどにしかなっていません。

このようにM2マネーサプライはどの法定通貨を基準にするかで推移が大きく変わってしまうので、どの通貨を基準として考えるかは非常に大切です。
今回は日本円を使う日本人向けの内容なので円ベースで表示していましたが、人によっては「グローバルな指標で見るべきだから、基軸通貨である米ドルで見るべきだろ」と感じた人もいると思います。
なので、その点は誤解がないように注意してください。
ただし、米ドルベースでも基本的には右肩上がりでM2マネーサプライは順調に増大しており、実は2015年~2019年までの増加量も結構大きいんですよね。
直近だとコロナによる金融緩和での増加が大きく取り上げられやすいのですが、実はその前からM2マネーサプライは結構なペースで増加していました。

現在はインフレを抑えるために各国で金融引き締めを行っていますが、これが解除されると再び2015年~2019年のペースになる可能性があります。
注意点2:2015年の為替は1ドル124円ほど
今回のシミュレーションでは為替も大きく影響したのですが、実は2015年と現在の為替は下記のようになっています。
項目 | 2015年7月末 | 2025年7月末 |
---|---|---|
ドル円 | 1ドル124円 | 1ドル149円 |
おそらく、多くの方が10年前である2015年よりも今の方が円安だと思ってたはずですが、これを見ると意外と2015年も円安だなと感じた人はいないでしょうか?
正直、私は2015年って1ドル100~110円ほどだと思ってたので、自分の想像よりも円安による影響が小さい結果になりました。

2015年はちょうどリーマンショックのダメージからアメリカが回復したくらいなので、約9年ぶりに利上げした年だったようです。
一方で、日本はアベノミクスによる金融緩和が続いていたので、1ドル120円台の円安だったわけですね。
10年前が2025年の今よりも円高だったのは間違いないのですが、想像より円高でもない数字だったので注意点として残しておきます。

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