はじめまして。ブログ運営と動画投稿をしているちゃすくです。
結論から書くと、CapCutが他の動画編集アプリよりも危ないのは事実であり、デマではありません。
危ない点をしっかり理解したうえで利用することをオススメします
危ない理由には「危険な利用規約」「著作権侵害」「勝手に有料プラン」の3つがあるため、詳しい内容を解説します。
「CapCutは危ない」はデマ?【デメリット6選】
「CapCutが危ない」は事実であり、AdobeのPremiere RushやCyberLinkのPowerDirectorなどよりも危ない点が多いです。
CapCutが危ない点には下記があるため、デマではないことを詳しく解説します。
- 自身の動画がフリー素材になる利用規約
- 個人情報を集める量が多い
- BGMや効果音の著作権を得ていない
- あらゆる問題は全てユーザーの責任
- CapCutは商用利用が禁止されている
- 利用規約を表示してこない
- 分かりにくい有料プラン
自身の動画がフリー素材になる利用規約
CapCutで最も問題になっている利用規約が下記であり、簡単に要約すると「CapCutで使用した素材は全てフリー素材になる」です。
お客様はまた、(適用法で許容される範囲で)お客様のユーザーコンテンツまたはその一部に関連するあらゆる一切のプライバシー権、パブリシティ権その他類似の性質の権利を放棄します。お客様は、ここに、お客様が本サービスを介してアップロードその他提供するユーザーコンテンツについて有するあらゆる一切の人格権を(適用法で許容される範囲で)放棄し、当該人格権を一切主張しないこと、または当該人格権に基づく法的手続を一切支援、維持もしくは許可しないことに同意します。
CapCutサービス規約より
つまり、CapCutへアップした自身の素材はCapCut運営や関連会社、他のユーザーによって自由に使われる危険性があります。
怪しいマッチングアプリのサクラとして写真や動画を勝手に使われる危険性もあるので、他ユーザーの動向によっては危険性が非常に高いです。
また、本人ではないに有名人やアーティストの著作物を勝手に使用した場合、CapCutを運営するByteDanceが勝手に使用できるようになります。
お客様や第三者へのロイヤリティ料の支払義務を負うことなく、お客様のユーザーコンテンツを使用する権利を当社に付与することを意味します。上記第三者には、ユーザーコンテンツの作成に関係する(承知のうえであるか否かを問いません。)録音素材の著作権者(例えば、レコード会社)、音楽著作物の著作権者(例えば、音楽出版社)、(中略)または他のロイヤリティ関係者が含まれますが、これらに限られません。
CapCutサービス規約より
著作物を無償で使えるということはアーティスト達が本来得られたはずの利益を台無しにしていることと同じです
上記の利用規約は他の動画編集アプリでは考えられないような内容であり、「CapCutは危ない」がデマではない原因の1つです。
自分自身や推しをフリー素材にしたくない場合はAdobeのPremiere Rushなどのようにユーザーのコンテンツがしっかりと保護されているアプリがオススメです。
個人情報を集める量が多い
CapCutはIPアドレスや端末情報、おおまかな位置情報、銀行口座情報などを収集しており、これは利用規約でも明記されています。
アプリへの支払いや機能改善の為にユーザーの情報を収集することは分かりますが、他の動画編集アプリに比べると明らかに収集している情報が多いです。
CapCutを運営しているByteDance社を疑っている訳ではありませんが、そもそもByteDanceは中国企業なので中国の国家情報法第7条に従う必要があります。
いかなる組織及び個人も、法律に従って国家の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならない。国は、そのような国民、組織を保護する。
中国「国家情報法」第7条
この法律を分かりやすく言うと「中国企業が所持している個人情報は全て中国政府に筒抜け」ということであり、井形彬多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授も下記を述べています。
たとえば、中国製のサービスを使用して中国に不利益な活動をする人物を中国当局がテロリストと認定すれば、サービス運営者はこの人物の情報を提出するよう求められる。運営者はおそらく中国企業として拒否できない
朝日新聞デジタル2021年4月12日「見えぬ中国の「情報」リスク LINEが突きつけた問い」より
つまり、中国政府が指示すればByteDance社が集めた個人情報はいつでも中国政府へ流れるため、他国の動画編集アプリよりも潜在的な危険性が大きくなりやすいです。
個人情報のリスクを抑えたい場合は日本やアメリカなどの企業が提供している動画編集アプリを選ぶとよいでしょう。
BGMや効果音の著作権を得ていない
CapCutはBGMや効果音をアプリ内で公開していますが、そのほとんどは著作権の承諾を得ていないのでYouTubeなどへ投稿すると収益化停止になります。
実際にCapCutの利用規約でも下の記載があり、アプリ内の音楽系著作物はCapCutの運営が勝手に配布しているだけです。
本規約で明示的に規定されている場合を除き、本サービスからまたはそれを介して利用可能な録音物およびそれに含まれる音楽著作物に関する権利は、一切使用許諾されていません。
CapCutサービス規約より
上記の事実を知らずにYouTubeなどへ動画を公開すると下画像になるため、収益化ができない状態になります。
もし動画投稿で収益を得たい場合はCapCut内で配布されている音楽を使わないほうが良いでしょう。
より詳しい内容は「【CapCut】音楽や効果音の著作権は?」でも紹介しています
PowerDirectorであればアプリ内で配布されている素材がフリー素材なので、著作権を侵害せずに動画を作りたい場合はオススメです。
あらゆる問題は全てユーザーの責任
ここまでCapCutの利用規約にある危ないデメリットを解説してきましたが、これらで問題が生じた際の責任は全てユーザー側が背負うことになっています。
例えばCapCutアプリ内にある音楽を使って動画を作成し、YouTubeで著作権侵害による収益停止や動画一斉削除が起きても全ての責任はユーザー側にあります。
自身のコンテンツだけなら良いですが、勝手に有名人やアーティストの素材をCapCutで使ってフリー素材化してしまった場合は大きな責任を負うことになります。
権利や利益はCapCut運営が得るけど、責任はユーザーへ押し付けるやり方です
CapCutは商用利用が禁止されている
CapCutは無料のスマホアプリでありながら高度な動画編集もできますが、下記の利用規約通り商用利用が禁止されています。
また、お客様による本プラットフォームならびに関連する当社のサービス、アプリ、商品およびコンテンツ(総称して「本サービス」)のアクセスおよび使用に関する条件を定めます。本サービスは、個人的かつ非営利的な用途のために提供されます。
引用元:CapCutサービス規約より
TikTokやYouTubeで収益を得る場合も商用利用に該当するため、CapCutで編集した動画で収益を得ることは利用規約違反になります。
CapCutの利用規約へ違反した場合は運営による動画削除や収益横取りが可能になるため、インフルエンサーとして活動している人は気をつけるべきでしょう。
YouTubeで著作物を使用している場合は収益が横取りされやすいので注意
商用利用に関する詳細な内容は下の「CapCutは商用利用できる?」にまとめてあるので、そちらも参考にしてください。
利用規約を表示してこない
ここまでの利用規約を見ればCapCutの危ない噂がデマではないことが明らかですが、そもそもCapCutはアプリインストール時に利用規約を表示しません。
アプリ内から確認はできますが、実はアプリをインストールした時点でここまで紹介してきた利用規約へ同意したことになっています。
本サービスへのアクセスまたはその利用をもって、お客様は、当社と拘束力ある契約を締結し得ること、本規約(補足条項を含む)を受諾すること、本規約の遵守に同意することを確認します。お客様による本サービスへのアクセスまたはその利用には、当社のプライバシーポリシー及びコミュニティガイドラインも適用されます。
引用元:CapCutサービス規約より
こんなやり方は日本やアメリカの動画編集アプリならありえませんが、CapCutではこのやり方が当たり前になっています。
そのため、多くの人達がフリー素材化や音楽の著作権に気づいておらず、YouTubeなどへ投稿した後に収益が停止になる問題が起きています。
動画編集アプリの開発会社へ誠実な対応を求めている場合はAdobeのような世界トップメーカーがオススメです。
有料プランが分かりにくい
CapCutには有料プランである「Pro」があり、実は無料版の状態でも有料プランの機能が公開されています。
テンプレートや機能を選ぶ時点ではどれが有料プランに該当するのか分からない
そのため、無料の状態でも有料プランの機能やテンプレを使って動画編集できるのですが、動画を保存する際にProへ加入することを求められます。
つまり、時間をかけて動画を編集したのに有料プランが分かりづらいせいで動画を保存できない状態になります。
有料プランへ加入させたい気持ちは分かりますが、やり方が他の動画編集アプリよりも汚いです。
PowerDirectorなどであれば有料プランの機能は初めから使えない仕組みになっているので、分かりにくいアプリを使いたくない場合はオススメです。
CapCutを使ってしまった時の対処法
CapCutを使ってしまった場合、個人情報などは初回起動時に本社側のサーバーへ一緒に保存されている可能性が高いため、完全な対処は不可能です。
しかし、下記を行うことで個人情報が漏れた時や著作権侵害の被害を抑えることができます。
- アプリ内で使った素材やキャッシュを削除
- CapCutをアンインストール
- CapCutで使用したメールアドレスやアカウントを使っている他サービスのパスワードを変更
- CapCutのBGMや効果音を使った動画をYouTubeなどから削除
特にYouTubeへの動画投稿でCapCutを使用している場合、動画公開時に著作権侵害の通知が来なくても後から送られてくるケースがあります。
動画公開から1年経って著作権侵害の通知が送られてきた経験があります
そのため、CapCutで作った動画をYouTubeなどへアップしてしまった場合は著作物の有無を確認しておくとよいでしょう。